ヨーロッパ旅行〜カーディフ編2〜

2003年12月17日

★ カーディフ散策

ホテル近くのアーケードのカフェで朝ご飯。私はマフィンとカプチーノ、たかちゃんはキッシュとカプチーノにしました。あったかくして出してくれるのが嬉しいし、味もボリュームも結構でした。
コーヒーシュガーなどにもウェールズの象徴、ドラゴンがあしらわれていて、SIWGRの文字が。何と読むのか分からないけど、これで砂糖を意味するんだなぁ。

駅前のバスセンターで19日のヒースロー空港行きの高速バスのチケットを購入。片道だと31ポンド、往復だと34ポンドって一体どういうことでしょうね。
そしてこの日はウェールズ民俗博物館に行くことにしていたので、バスの乗り場を聞くためにまた昨日のビジター・センターへ。入ると昨日のオリデー・インおじさんがいて「やぁ、また来たね」と。気合を入れて「ウェールズ民俗博物館へ行きたいんだけど」と言うと、「それなら○番乗り場からバスに乗って、えーと、次のバスまで30分あるからコーヒーでも飲んでたらいいんじゃない?」と。今日はすんなり通じたぞ。

コーヒーは飲んだばっかりなので、周辺をぶらぶらしてからバス停へ。バスに乗って往復チケットを買う。ほぼ時間通りに出発しました。カーディフの中心地を抜けて古い住宅地を通り、だんだんと美しい田園風景が広がってきました。25分くらい行ったところで、同乗していたおじいちゃんが「君たち、ミュージアムに行くの?それなら次で降りるといいよ」と教えてくれました。

そのSt Fagansというバス停で降りると、博物館は目の前でした。西暦1500年頃から現代までのウェールズの生活の様子を再現した野外博物館です。季節ごとにさまざまなお祭りがあって、5月には牧羊犬による羊の囲い込み競争などもあるらしいです。
まず大きな門をくぐるとセイント・フェイガンズ城が。中を見学するとエリザベス朝時代の生活の様子が伺えます。お庭も広くてキレイ…なんだろうなぁ春が来れば。アーチも葉が落ちてしまってちょっと荒涼としていました。
が、裏へ抜けるとこれこそガーデニングといった感じに立派に手入れされた大きな庭園が。辺りはとても静かで小鳥がさえずる声が聞こえるばかり、見渡す限り近代的な建物は見えなくて、なんだかとても不思議な感じがしました。
さらに奥へ進むと敷地の全体図を記した看板が。それを見て私もたかちゃんも驚愕。だってその広さときたら…!東京ドームが何個入るんでしょうか。敷地の広さは50エーカーとのことですが、ピンときません。にかく今まで見たお城とお庭は氷山の一角でしかありませんでした。いろんなところで「広いから見てまわるのに半日はかかる」などと紹介されていたのに納得。その全体図によると、30を越える建築物が敷地のあちこちに点在しているらしい。とにかく見られるだけ見ようと歩き出しました。
藁葺き屋根の農家や小さな郵便局、羊毛工場、陶芸工場などなど、ウェールズ中から集められて再建されていて、当時の生活の様子が伝わってくるよう。そしてそれらの建物にそれぞれ案内の人がいて、ラブリーなウェールズ訛りでいろいろ説明してくれます。
昔ながらの製法でパンを焼いている小さなお店があって、おいしそうな匂いが漂っていたのでスコーンを買ってみました。が…、こ、粉っぽい。私もたかちゃんもちょっと食べてコーヒーで無理やり流しこみ、残りはその辺を歩いていた鶏たちにこっそりあげてしまいました。お店のおばちゃん、ごめんなさい。
長時間外を歩き回っていたら底冷えがしてきたので、誰もいない敷地内の教会で一休み。お土産屋さんでウェルシュ・ケーキを買って、全体の8割程度は回ったと思われるので、帰ることにしました。

バス停で居合わせたおじいちゃんと挨拶を交わす。道を横切ろうとした車の運転席から身を乗り出して、「Billy~!!!」と大声で叫びながらそのおじいちゃんに手を振るおじさんが。Billyおじいちゃんは「遠くから僕に気付いて、彼は目がいいねェ」と。どこから来たのかと聞かれたので、日本からと答えると、「僕は船乗りで、ずいぶん昔だけど日本に行ったことがあるんだよ」ですって!カーディフ湾から出港したのかな。考えただけですごい船旅です。そしてセイント・フェイガンズ城を指差して、「このお城には昔は人が住んでたんだよ、日本のショーグン・キャッスルみたいに」と言っていました。

しばらくしてバスが来たので乗車し、ホテル近くのバス停で下車。いったん部屋へ戻って休憩しました。さきほど買ったウェルシュ・ケーキをさっそく食べてみることに。ウェルシュ・ケーキとは、粉とバターとラードと卵、砂糖、干しぶどう、スパイスなどをこねて焼いたウェールズ特有のお菓子。ケーキというかクッキーというか。う~ん、まぁ想像通りの味かなぁ。ちょっと素朴すぎる味わい、そしてやはり粉っぽい。苦労しながら1枚を食べ終わる。

夕方になってからご飯を食べに出かける。まずToucan Clubに行って、カウンターのかわいらしい女性に「明日のSuper Furry DJを聞きに来たいんだけど、チケットとかいるの?」と聞いてみました。スケジュール表を見ながら「えーと…いいえ、大丈夫よ」とのことだったので、たかちゃんが、「バンフからこのお店のことを聞いて来たの!」と言うと「バンフって誰?ボーカル?」と。「…いや、ギタリストなんだけど」とたかちゃん。ともかく一安心。

そして昨日と同じパブに入りました。昨日は奥の静かな場所に座ったので、今日はカウンターの近くの賑やかな席にしてみました。店内のモニターではプロレスの試合を放映していてたかちゃん大喜び。2人ともBRAINSとフィッシュ・アンド・チップスにしました。
昨日よりもちょっと時間が遅かったのでお客さんがたくさんで、アルコールの量と比例して彼らのテンションは上がっていきます。近くにいたおじさんたちのグループと、いつのまにか合流していました。彼らは自転車仲間で半年に1回くらいこうやって集まるのだと言っていました。たかちゃんが「社会学を勉強している」と言うと、「だからここへ観察に来たんだな!」と。
4、5人いた中でウェールズ語を話せるのは1人だけで、せっかくなので北ウェールズのアングルシーにある世界で2番目に長い地名、

Llanfairpwllgwyngyllgogerychuyrndrobwllllantysiliogogogoch(意味は「渦巻きのある急流のそばの、白い樫の木の空洞にある、セント・メリー教会と、赤い洞窟にあるセント・ティシロ教会」長いよ…)を言ってもらいました。早口であっという間なのでもうちょっとゆっくりとお願いすると、途中で分からなくなってしまった様子。やっぱり勢いが大切なのですね。他のおじさん達は最初と最後だけつないでごまかしたり、「略してPGでいいんだよ」とか言ってました。
ウェールズ語のあいさつなどを教えてもらううちにウェールズ語、英語、日本語、イタリア語のLanguage Exchangeみたいになりました。「日本語でHelloは何て言うの?」「こんにちはだよ」「コニチハ!Right?コニチハ!!!」ってそんな真顔で怒鳴られても…。そしてやっぱり歌い始めるし。ウェールズ国歌「Land Of My Fathers」を歌ってとお願いすると、そのウェルシュ・スピーカーのおじさんは「ナショナリズムにはうんざりだ、俺は国歌は歌わない」などと言っていたけど、結局歌ってました。
旅の過程を説明すると、「ロンドンよりカーディフの方がいいだろう?」と。「ロンドンは都会すぎるし、カーディフの方がフレンドリーで好き」とたかちゃんと口を揃えて言うと「そうだろう、そうだろう」と満足気でした。そして一人のおじさんが話の輪に入ってこようとすると、「お前はイングランド人だから来ちゃダメー!」なんて言うし。「彼はイングランド人とウェールズ人のハーフなんだよ」う~ん、難しいところですね。他にも挨拶してきてくれた背の高いおじいちゃんを「彼は学校の校長先生なんだよ」と紹介してくれました。校長先生、平日から酔っぱらってかなりご機嫌な様子。
そして日本のテクノロジーや政治、サッカー、家族の話など、とにかくどの話題でも熱っぽく語っていました。たくさんお喋りしてギネスもごちそうしてもらって楽しかった!この後一体いつまで飲むのか分からないおじさん達にお礼を言って、千鳥足でホテルへ戻りました。

部屋の冷蔵庫の中の炭酸飲料が飲みたかったのだけど、やはり開かず…。翌日ホテルの人に聞いたら、すべての部屋の冷蔵庫が故障中でロックされてしまっているということでした。

たかちゃん、明日はいよいよFURRY NIGHTだよ!

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