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申込書と契約書

今回のタイトルは「申込書と契約書」です。
どちらもよく耳にする名前ですが、何か違いがあるのでしょうか。
今回から申込書と契約書の違いや、実務上でどのように使ったらよいかについて説明していきます。

先ずは「申込書」ついてです。
これは文字通り「申し込みをする書類」です。
では、「申し込み」とは何でしょうか。
簡単に言うと「これを買いたい」、「このサービスを受けたい」という意思を表すことです。
これを書面にしたものが「申込書」です。
「申し込み」の意思の表示は口頭でも文書でもどちらでも有効なのですが、プライベートでもビジネスでも重要な場面での「申し込み」は文書にしたほうが良いでしょう。

但し、この「申し込み」は口頭でも文書でも誰かが一方的に「買いたい」とか「サービスを受けたい」と言っているだけです。
つまりこの時点では何かを約束した訳ではありませんし、誰かに何かの義務を負わせることもできません。

では、「申し込み」を受けた側はどうしたらよいのでしょうか。
「申し込み」を受けた側は、それを「承諾」するかどうかを検討します。
そして「承諾」することになった場合は、それを「申し込み」した人に伝えます。

「申し込み」に対して「承諾」をする。
これによって「契約」は成立します。
一部の例外はありますが、原則として「申し込み」の意思表示に「承諾」の意思表示をした時点で、それが口頭であっても「契約」は成立します。

次に申込書をどのように活用すべきかについて説明します。
結論から申し上げますと、「申し込み」に対して拒否をすることがなければ申込書は不要です。
逆に言えば「申し込み」に対して断ることがある場合は、申込書を使用した方が良いでしょう。
例えば、アパートの賃貸借の場合、「借りたいです」という「申し込み」に対していきなり賃貸借契約を締結することはないでしょう。
先ず、申込書に氏名や住所、勤務先や年収などを記入してもらい、その内容からアパートを貸しても問題がないかどうかを審査します。
そして審査の結果、断ることもあります。

断る①

申込書には、「申し込み」したい人の氏名や住所、電話番号、日付等を記入する欄を設けることが一般的ですが、他にどのようなことを書いておいたら良いでしょうか。
これは当職の意見ですが、審査結果についての理由を説明するかどうかについて書いておいた方がよいでしょう。
当事務所で申込書の作成代行を行う場合、お客様から特にご希望がない場合は審査理由について説明しない旨の条項にしています。

申込書には、「申し込み」に関することを書いておけばよく、契約に関する様々な条件や約束は契約書に書いてあれば問題ありません。

次は契約書について説明します。
上記の通り、「申し込み」に対して「承諾」をすることによって「契約」は成立します。
一部の例外はありますが、原則として口頭であっても問題なく成立します。
つまり契約書を作らなくても全く問題ありませんし、契約書を取り交わさなくても成立している契約はたくさんあります(日常生活における契約はほとんどこちらでしょう。)。

書類②

では、契約書を作成したほうが良いのはどんな場合でしょうか。
結論から言いますと
(1)規模が大きな契約
(2)サービスの提供と代金の支払いに間が空いてしまう契約
以上の2つのケースです。

(1)については、規模の大きな契約は何かトラブルが起きた場合の規模も大きくなってしまいます。
そうならない為に、またはトラブルが起きてしまった場合の責任と負担を明確にする為に契約書を作成したほうが良いでしょう。

(2)については、「サービスの提供」と「代金の支払い」の間が空けば空く程、その期間中に人為的なものや自然災害も含めて何らかのトラブルが起きる可能性が高くなります。
トラブルが起きると、そのままスムーズに契約を完成させることができない、場合によっては契約と取り消さなければならないこともあり得ます。

「サービスの提供」と「代金の支払い」の間で起こり得る様々なトラブルを想像して、「こういうトラブルが起きたらこのように対応する、その負担をだれが負うか」を予め定めておくことで、争いを起こさずにトラブルを解決することができます。

当事務所では、契約書の作成代行だけでなく契約書に関するアドバイスも行っております。
お気軽にお問い合わせください。

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