遺言書のはなし
少し前にあったとある相談です。
この記事をご覧に皆様も、こんな話を聞いたことがありますでしょうか。
Aさんは、お年寄りのBさんの身の回りの世話をしていました。
Aさんは、Bさんの家族や親戚ではなく、単なる知り合いです。
ですがそれなりに親しい間柄だったようです。
しばらくしてBさんは高齢者施設に入ることになったそうです。
Aさんは、Bさんが高齢者施設に入所する際にも、いろいろお手伝いをしたそうです。
Bさんは、Aさんに高齢者施設に入所後も支援を続けてほしいと伝えたそうです。
また、その見返りとしてBさんの死後にBさんの財産の一部を与えるという約束をしたそうです。
そしてBさんは亡くなりました。
AさんとBさんの間には上記の約束を記した書面や、Bさんの「Aさんに財産の一部を与える」という内容の遺言書もありませんでした。
そのような状況で当職に相談してきたのです。
これはもうどうしようもありませんでした。
ただ普通にBさんの財産はBさんの相続人に相続されておしまいです。
AさんがBさんの相続人にこれまでの経緯を説明すれば、Bさんの相続人から遺産の一部を譲ってもらえるかもしれませんが、そうなるかどうかはBさんの相続人次第です。
Aさんには「お願い」することはできても「権利」はありませんでした。
「相続」ができるのは「相続人」だけです。
それ以外の人に遺産を譲りたい場合は、遺言書を作成しましょう。
また、そのような約束をしたら遺言書を書いてもらいましょう。
当事務所では、遺言書原案の作成代行も取り扱っています。
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