「amazonのすごい会議」とワークショップの要素を重ねてみる
0.はじめに
「amazonのすごい会議」という書籍を読みました。書籍中の内容と ”先日、とある会議をワークショップ化した経験” を絡めながら、会議にワークショップの要素を持ち込みながらファシリテートすることで 本書籍で触れられている「会議活性化のポイント」を比較的簡易に仕組化出来るのでは? と思うに至ったので、少し整理して書いてみたいと思います!
(今回読んだ本はこちらです👇)
1.会議に持ち込んだワークショップの要素
先日、社外メンバーでの会議にテスト的にワークショップ用のツールMiroを持ち込んだ上で、以下の様な3ステップを基本とした流れで打合せを実施してみました。
<ワークショップ化した会議の大まかな流れ>
[1] 参加者で議論するテーマを決める(打合せ自体のゴールは別途設定)
[2] 一定時間取り、それぞれ意見を付箋に書き出す(例えば5分程度)
[3] 順番に発言し、テーマに対する結論を決める(付箋を要旨として発言)
普段行う口頭ベースの会議だと、
➡ 色々な忖度の中で発言者にムラが出たり
➡ 会話の流れに合わない視点は何となく流されたり
➡ うっかり枝葉の議論に終始してしまったり
ということがありがちの様に思いますが、その対策として ワークショップの要素はとても"親和性が良い(※)" のではないかと感じたことが会議のワークショップ化の背景でした。
ワークショップ化することの有用性はもちろん”会議の種類”に寄るかと思いますが、実際先日やって行ってみた際には、自分としては好感を覚えた次第です。(もしご興味があればこちらのnoteをご参照ください)
その中でですが、本書中で語られる【会議活性化のポイント】に改めて触れながら、"会議をワークショップ化することの効果" を改めて言語化出来たので、後述で触れていきたいと思います。
2.書籍中で紹介される「会議活性化のポイント」
本著中では「会議が盛り上がるか否かはファシリテーター次第」と前置きしながらも、amazonにて特に大事にされていたとされる【会議活性化のポイント】が3つが紹介されておりました。
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amazon流の会議活性化のポイント
①リフレーズ (意訳:言い換え)
②パーキングロット(意訳:一旦保留)
③バルコニー (意訳:目線を変える)
これらのポイントと、会議をワークショップ化した時に感じたことを改めて重ねながら整理してみたいと思います。
3.「会議活性化のポイント」とワークショップの要素を重ねる
■その①:「リフレーズ/言い換え」∩ ワークショップ
リフレーズの大本の目的は「発言の少ない人の意見を議論の場に出す」ことですが、この点は上述の[2]の通り ”それぞれ意見を付箋に書き出す” とすることで、すで第一段階は達成です。
その上でですが、”発言を行う前に一度書き出す”というワークショップ的な行為には更に「リフレーズ/言い換え」の観点において以下2点の追加効能がある様に感じます。
[1] 発言前に発言者自身が「リフレーズ/言い換え」の機会を得られる
[2] 聞き手側からの「リフレーズ/言い換え」を行いやすい
このように、"発言前に意見を書き出す"というワークショップの要素を会議に取り入れることにより、「リフレーズ/言い換え」の観点を自然な形で仕組みとして取り込める 様に思いました。
(冗長かもですが、それぞれについて以下でちょっと解説します)
■その②:「パーキング/一旦保留」∩ ワークショップ
発言前にまずその場に書き出す行為により、各参加者の意見の要旨はすでに"その場にある"状態となります。言い方を変えると、各意見はその場に「パーキング/一旦保留」された状態で発言を開始する形となります。
つまり、自然と各意見が場に明文化され、各参加者の認知を受けられる状態が作り出させることにより、「パーキング/一旦保留」が目的とする意見の尊重の目的の第一段階は達成されている形です。
その上でですが、各参加者の発言まで踏まえて、その場では直接議論に乗りにくい意見などは、”意見に紐づく付箋”の色を変えるなどしながら、少し分けて置いておくことにより、意見を尊重しながらも議論を前に進めることができます。
このように、"書き出された意見を適宜振り分ける"というワークショップの要素を会議に取り入れることにより、「パーキング/一旦保留」の観点を自然な形で仕組みとして取り込める 様に思いました。
■その③:「バルコニー/目線を変える」∩ ワークショップ
会議の大きな流れにワークショップの要素を持ち込んでいても、"各意見に対して他聞き手側から追加の意見を添えられる" などを繰り返すことにより、少し細かな枝葉的な部分に派生しながらの、口頭でのコメントの応酬が発生する場面は生じます。
その様な場面が生じた際においても、これまでの会議の流れをなぞることが出来るボードがあれば、適宜ファシリテーター側から “ボード全体を一度引いて見ることを促す” 形で目線を変えるキッカケの提供 を比較的簡単に行うことができます。
このように、ワークショップの要素(Miroの様なボード)を会議に取り入れることにより、"ワークの流れを俯瞰できる環境" を交えることで、「バルコニー/目線を変える」というキッカケの提供を比較的簡単に行える 様に思いました。
4.最後に
打合せにワークショップの要素を持ち込み、「いちいちテーマを設定し、一度書き出してから意見を言う」などとするのは、一見効率が悪く見えるかもしれません。(自分も一度行う前は「効率が悪くなるかも?」という不安がありました)
しかし、実際に行ってみると上述の通り 「会議活性化のポイント」 を取り組み”やすい”環境を作れる と思うに至りました。
延いてはその先にある
[1] 各参加者が万遍なく意見出来る場
[2] 各参加者の発言を蔑ろにしない場
[3] 全体(ゴール)を俯瞰しながら会話できる場
を演出することへの架け橋になるように思います。
まずはテスト的に社外メンバーとの打合せのワークショップ化してみましたが、今回得た視点を持ちながら、次は社内の打ち合わせにも適用してみたいと思います!
(再掲載になりますが、今回読んだのはこちらの書籍です👇)