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「ノンデザイナーのためのポスター制作ワークショップ」に参加してきた!
日頃、社内外でちょっとしたイベントを開くことを趣味する中で、ポスター制作をすることがある。これまでは、素人でも馴染みやすい書籍を手に取りながら、見よう見まねでポスターを制作していたが、一度 "有識者の方から学びを得てみよう" と思い今回のワークショップに参加した。このnoteではワークショップ中の内容で印象に残ったことを備忘録的に整理する。( "社内勉強会" とありますが、有志での勉強会であり掲載可能な内容です📣 )
1.始めに / 講師紹介
今回のワークショップは、"劇団員を務めながら宣伝美術(※)も務められている大川諒平さん" を講師として招いたイベントであった。
※宣伝美術:舞台・演劇公演などの販促物およびビジュアルをつくる役割
この講師の方自身もデザイナー系の学校を出ている訳ではなく、宣伝美術への関わりを通じて、約6年間に渡って試行錯誤しながらポスター制作等を深めてきたとのこと。だからこそのノンデザイナーである参加者の思いを汲み取った場運びが非常に印象的であった様に感じる。
日頃は大阪を拠点に活動する「㐧2劇場」という劇団にて、劇団員を務めたり、「朗読Bar / 金魚の夢」という場所で行われる朗読イベントに出演したり、「ぱるめし ~毎日元気でいるためのレシピ~」の編集担当されたりしているとのこと。なお、大川さんオススメの書籍は『なるほどデザイン (筒井 美希 著)』とのことだった。
2.ポスター制作におけるポイント
今回のワークショップを通じて学んだ「ポスター制作におけるポイント」を大きく2つに整理して紹介する。
①『誰に何をして欲しいのか?』
▶「なぜなら、デザインとは課題解決であるから」。
ポスターやデザインなどという言葉が飛び交うと素人の自分としてはついつい、「オシャレさ」や「カッコよさ」、「ユニークさ」のあるポスターを作ることがゴールの様に思い浮かべてしまうが、ノンデザイナーのそのような想いを先読みするかの様に、冒頭に『デザインとは課題解決である』という言葉があった。
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『課題解決』であるからこそ、『そのポスターは誰に何をして欲しいものであるのか?』をしっかり想定して作成する必要がある。以下では、ワークショップ中に紹介された例の1つを掻い摘まんで紹介する。
《参考例「全商品10%OFF」》
例えば、「全商品10%OFF」のポスターを作ろうとする場合に、掲載する言葉をまずは均等に配置すると以下の様になる。
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しかし、実際にはこのポスターにも掲載する "目的" があり、「誰に何をして欲しいか?」という観点で整理すると例えば以下の様になる。
・誰に:お店に来て、チラッとこのポスターを見た人に
・何を:「どれくらいお買い得なのか?」を認識して貰いたい
この "目的" を踏まえると「掲載する言葉の中でも、"10%"という数値をもう少しアピールした方が良いかもしれない。」という風になる。
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更に"全商品" と "OFF" のどちらを強調すべきか?というところまで考えた時に、「"OFF"をより強調しよう」となったなら、更に以下の様になるかもしれない。(一部 筆者の解釈も含む)
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ーーー
今まで、類似のポスターを店頭で見た時には「何を考えて、このポスターが出来上がっているのか?」「なぜ10%を大きく表示しているのか?」はいまいち分からずにいたが、今回のワークショップを通じ「デザイン=課題解決」という観点を得たことによって、理解を深めることができた。
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②『ポスターの対象をあえて絞る』
▶「目的を明確にすることで、結果的に目的に共鳴する人が集まるから」。
例えば、「誰に」という観点だけに着目しても、
・年齢 ・性別 ・出身地 ・家族構成 ・職業 ・生活様式
などを項目に沿って、より明確化することが出来る。
この「目的の明確化による共鳴性」について理解を深めるための具体的な事例として、このワークショップでは、講師の大川さんが以前作成されたポスターが紹介された。まず土台となる『誰に何を』については以下の通り。
・誰に:大学の新入生(+α:演劇を観たことがない人)
・何を:公演を観に来て欲しい(+α:劇場に足を運んで欲しい)
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紹介するポスターにおいては、この『誰に何を』を踏まえた上で、以下の様な狙いに沿ってより具体的な肉付けを行っている旨の紹介があった。
ーーー
1.衣装を着たキャストを撮影する
▶狙い:同じ学生がやっているという安心感を与える
2.角が丸く、遊び心があるフォントを選ぶ
▶狙い:演劇に提供する物語の雰囲気を想像して貰う
3.タクシーが右往左往するコメディ感を道路標識で演出
▶狙い:明るく楽しいポスターにすることで安心感を与える
4.料金は”新入生無料”を最も強調 (問い合わせ先も大きく)
▶狙い:知りたい情報にしっかり目が行くようにする
ーーー
1つ1つ紹介を聞きながら、具体事例となったポスターの構成要素それぞれが『誰に何を提供したいのか?』をいう1本の軸に沿って汲み上げられているものであることを改めて感じる次第であった。
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《一言メモ ( ..)φ》
具体事例の中で、講師の大川さんの方から「演劇自体は誰に見て貰っても嬉しい」「新入生だけでなく、大学2回生・大学3回生にも見て貰いたい」「ただし、”あの人にもこの人にも来て欲しい” となるとチラシの目的がズレてしまい、結果的に共鳴してくれる人が減ってしまう」という言葉があったが、きっと泥臭い実体験を通じて紡がれている言葉なのだろうと思う。
3.”本ワークショップ”のポスターから
ワークショップ終了後に、まさに画面に投影されていた最後のスライド / 本ワークショップの案内ポスターにも活用されていた構成 の《工夫ポイント》を伺った。少し無茶ぶりの様にも思ったが、伺った話が非常に分かりやすかったのでサクッとお裾分けしたいと思う。
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このポスターは大きく3つのポイントで構成されていた。
① 記載は左上から右下へ
人は基本的に左上から右下に読んでいくため、その流れに合わせて記載の構成を組んでいるとのこと。右下には【考え方編】という言葉が縦置きされているが、この目線の流れを踏まえて意識的に構成しているとのことだった。
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② 重要度が低い言葉は白抜きに
今回のイベント(ワークショップ)を伝えるという目的を踏まえた時に、相対的に重要度が低い『のための』や『が』という言葉(助詞)を白抜きにすることで、協調したい言葉がより目立つ様にしているとのことだった。
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③ 記載の一部に遊び心を入れる
今回のポスターでは記載中の「想」の言葉に関して、上下を少し分けながら【点】を【♥】にする遊び心を加えることで、受けて側に "取っ付きやすさ" や "安心感" を与えることを狙っているとのことだった。
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講師の大川さんは専用ソフトを用いて加工しているとのことだったが、この着眼点を知っていれば、例えばパワポなどによる工夫でも作れそうである。
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全体を通してどのスライドも『何となく分かりやすい』印象を覚えていたが、実際に "目の前にスライドに対する工夫" を伺う中で、基本に忠実に汲み上げられている故であることを改めて感じる次第であった。
4.全体を通して
今回のワークショップでは、講師の大川さんより紹介頂いた上述の内容を踏まえた上で『社内向けビンゴ大会のお知らせ(ポスター)を作成する』というお題にもチャレンジした。
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・そのビンゴ大会には『誰に』参加して欲しいのか?
(どんな動機で参加して貰いたいのか?)
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・そのビンゴ大会には『何を』目的に参加して欲しいのか?
(どんなイベントであって欲しいか?)
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を予め検討した上でポスター作成に臨むことによって、ポスターの内容に対するイメージがとても湧きやすくなり、ポスター内容の充実が図れることは元より、作る上での心理的な負担が非常に軽減されることを感じた。
ポスター制作時に『誰に』『何を』を明確することは、ノンデザイナー自身の負担を減らすために欠かせないアプローチなのかもしれない。学びの多いとても充実したワークショップであった。
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P.s.
このワークショップで考えたビンゴ大会、実際にやってみても面白いのではないかと実は考えている。もう少し構想を深めつつ、機会を見つけて企画してみたいと思う♪ ^^