要注意人物に遭遇した時、最初の行動は?
仕事で遅くなった帰り道、駅まで歩いているとバッと誰かと肩がぶつかった。振り向くと酔った若者がいて、今にもつっかかってきそう。だからと言って煽るような行動はできない。
こんな状況の時、あなたならまずどうしますか?
パッシブスタンス
このような何か危機感を感じる状況の時はまず、相手に警戒心を持たせない程度に抑制する姿勢を取れると好ましいです。この姿勢をパッシブスタンスと言います。
まず、手のひらと指を軽く広げ、顔の前の高さに持ってきます。手と腕で大きなボールを作るイメージで、脇は小さく締めすぎず縮こまらないようにします。
脚は肩幅くらいに広げ、利き足を若干後ろに下げます。引きすぎると相手に警戒心を与えてしまうため、相手に気付かれない程度に10 cmくらいだけずらします。これは前後に動きやすくするためです。
同じく次の行動をとりやすくするため、引いた足のかかとを浮かせ、膝を少し曲げます。
ここでもし相手が手を振り上げるなり何か行動を起こした時、突っ立っているわけには行きません。自分の身を守るために動きましょう。
動くときは行きたい方向に近い脚から動かします。右に動きたければ右足、後ろに動きたければ利き足からです。
もう一方の足は最初に動かした足に沿ってずらします。この時、2本目の足をその場に残したり、1本目の足に寄せすぎないように注意が必要です。元の姿勢と同じ幅を保つよう意識します。
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ついでに、相手がもっと攻撃的だった場合に取る姿勢も知っておくと安心でしょう。例えば、相手がいきなり殴ってきたり襲い掛かってきたりする場合です。
ファイテングスタンス
このような時は、相手と戦う時の姿勢であるファイテングスタンスを取ります。
手を軽く握り顔の前の高さに持ってきます。利き手の方を自分側に、反対の手を相手側にし前後にずらします。この時、手を自分に近づけすぎないよう、顔との間に一定の空間を持たせます。
脚は利き足を下げて前後に開きます。足が前後に一直線になるとふらふらして安定しないため、左右には肩幅くらいに広げます。下げた後ろ足先は軽く外に向けておくとより安定した姿勢になります。
膝を曲げて腰を落とします。パッシブと同じく次の行動へ移りやすくするため、後ろ足のかかとは浮かせます。
このファイテングスタンスでは実際にどう動くのか、これも合わせて習得しないと使えません。
この姿勢の場合、前後左右に平行移動するというよりかは、常に相手の外側に回りながら回転移動する、というイメージです。
例えば右足を後ろに引いている場合。右足をさらに左後ろに引き、時計回りに回転します。4回繰り返せばほぼ一周するはずです。同じようにして右足を斜め右前に持ってくることで、反時計回りに回転できます。
この時、足だけを動かすのではなく、上半身の向きも一緒に合わせます。動いた先で、元の姿勢を取れるよう意識することが大切です。
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まずはこれらの姿勢を瞬時に取れれば、一歩前進です。
その後の動き方はまた今度。