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【コピー本同人誌】歪んだ王国【作製記録】
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先日発行した同人誌の製本作業の制作記録です。
今回は製本の作業工程でどんなことをしてるのかを記録しておこうかなと思います。
長いですが、お付き合い頂ければ幸いです。
①紙の選考
今回はお姫様を主役にした本、ということでテーマカラーを赤×金に設定していました。
なので、表紙と遊び紙は赤い紙、加工や装飾は金でやる方向に。
表紙の赤は深みと風合いがあるものを、と思い表紙は羊皮紙のべに(廃盤色/220kg)を取り寄せ、遊び紙は鮮やかで月の表面のようなテクスチャのある、かぐやのいざよい(90kg)を使いました。
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本文はアラビアン、砂のイメージ、また夢物語というキーワードから未晒クラフト(70kg)を使うことにしました。
②本文用紙の作成と印刷
今回は擬似小口染めに挑戦したいと思い、色々調べた結果、Canon様がやっていた『#おうちで小口染め風』という方法を採用。( https://twitter.com/Canon_doujin/status/1375390822397407235?t=3jgiHcazpvRXR54CDh6KAQ&s=19 )
中綴じ製本すると、どうしても本文が表紙からはみ出すので小口を断裁しなくてはいけないのですが、この方法なら断裁すること無く小口染めっぽく見せられるので手作業でやることに。
しかし、Canon様が公開していたプリンターを使った擬似金色がクラフト紙では上手く表現出来ないと判断。手間がかかるのは承知で1枚1枚、金色マッキーで小口を両面ひたすら塗っていくことに。(この時点で100枚以上作らなくてはいけないという狂気の沙汰です)
ご注文の部数(+余剰分)の枚数を終えるのに1ヶ月くらいかかりました。
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この作業の結果、金色マッキーを3本ほど使い切りました。_(:ェ」∠)_
天地(上下)はステイズオンというスタンプインクで油性のメタリックゴールドを使って染めています。ただムラになったりするので、念の為に金マッキーで2度塗りしています。
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本文用紙が出来たら、本文の印刷をしにキンコーズ様へ。(お世話になってます!!!)
今回のお話は、夢物語というキーワードなので、本文は鉛筆画ラフのままで、コピックで陰影を付ける薄墨のような手法を取っています。より現実味のない画質を取りたかったんで。なので、コピーの際のモードは普段は文字モードでくっきりを選ぶんですが、今回は写真モードを。何枚か試しと確認で濃さも調整しました。
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本文が出来たら加工を入れるかどうかを考えます。
今回は邪魔になりそうなので奥付の最後だけを装飾で弄りました。
これにて、本文は完成。
③表紙のデザインと装飾加工
現在のジャンルでは、毎回表紙は黒1色で武器のイラストに統一してるんですが今回はお姫様の本なので武器ではなくアラビアンなイメージにしました。装飾は大きめの花のラインスタンプを使用。金インクより華やかさを出しています。
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裏表紙は王冠を被った鳥のスタンプを使うことを決めていたので、文字だけを配置。
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ちょっと物足りないので色々足して結果こうなりました。
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いつもなら全体的にエンボス加工するんですが、細やかな柄だとエンボス加工が綺麗にならないので今回はやめて、表紙裏を遊ぶことにしました。
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表紙に使用した花のスタンプが、中途半端な大きさで、表紙の端までラインが届かないため、あえて裁ち落としをして遊び紙を見せるデザインにしています。
また、遊び紙に1文を入れて裁ち落としの違和感を無くし、表紙との一体感が出るようにしました。
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④遊び紙の加工
今回は口絵を入れるつもりでイラストもそれ用に描き下ろししていたので、遊び紙を抜いて、口絵を覗かせるつもりでいました。
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普通のクラフトパンチだと端っこだけしか抜けないんですが、マーサ・スチュワートのクラフトパンチはどこでも抜けるようにつくられたものがあって、今回はこの柄の型で抜きました。(オールオーバーザページという種類のパンチです)
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何か物足りなさを覚えてしまい、口絵に加工をするか、別の方法を取るか悩んでとりあえず1枚差し込みで紙をいれることに。
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斜めにカッティングして、パンチで型抜きをし、その後ハサミでレースっぽくカッティングしています。お姫様のカーテンっぽいイメージでやってました。
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遊び紙と合わせた時に口絵だけが見えてた方がいいか、と思い辞めようかと思ったものの本文手前に差し込み箇所を変更。
本文タイトルとの併せとこのカッティングが絶妙なバランスで気に入って使うことに。(後にカッティング作業で指がつりました。)
持っている方は見てやって下さい。なかなかいいバランスだとおもってます(私は)
急遽加えたこの紙(シープスキンの古色)が廃盤色で数が足りなくなってしまい、一部の方はDクラフトのフラワー柄を使っております。フラワー柄だと姫様感があってこれもなかなか素敵だとおもってます。
この後、口絵とその下に差し込んだ遊び紙②を表紙からはみ出さないようにサイドを少し裁ち落とししています。
⑤いよいよ綴じる合体作業
表紙、遊び紙、口絵、遊び紙②、本文をホチキスで中綴じします。
お気づきの方がいたら大変有難いのですが、今回はホチキスの針を金色に染めました(笑)
気付いてない方は見てやってください。金色です。
油性のスタンプインクに漬けて金色にしました。油性は神。なんでも染められて素晴らしい。
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いつも使うのはピンクの大きいホチキスです。(針も普通のより大きい)私の本は大概、遊び紙だったり差し込みが多すぎる&表紙が厚みがかなりあるので普通のホチキスではスムーズに綴じられません。あとたまにコピー本の癖して52ページとか異常なページの本を作る時があるのでこのホチキスが無いと何もできません……。(最高で72ページのコピー本を作った覚えがあります。あれは綴じるの辛かった…)
青いホチキスでやってた頃もあったのにな……
このホチキスですべて重ねて、天地を整えて揃えて合体!
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⑥装飾品を付ける(ギフトタグ)
本の完成はしたものの、もう少し素敵にしたくて、今回ギフトタグを使いました。
アラビアン、絢爛豪華さを感じて貰えるように、今回はパンチスタジオという海外メーカーの孔雀のギフトタグを金のゴム紐で本に結ぶことに。
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本を持ってらっしゃる方は分かって頂けると思うのですが、本当にこのタグ美しくて凝っていて、見た時に絶対姫の本に使いたい!!って思ってたので、使えて大変満足です。 全部で4種類。どれも素敵です。
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ただ、この商品多分手には入らないため、次回の再版分では白孔雀に変えさせていただきます。すみません。
でも白孔雀もとても美しくて素敵です!!
⑦封筒作り
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前回のプリエ本でも使ったカマス封筒です。羽車ストア様からいつも取り寄せております。なかなかA5サイズでこういう封筒って売ってなくて。
(次の本もこれを利用するつもりでいます。)
今回は表面にぶら下がったランプのスタンプを赤エンボスで押しました。
今回、本当はエンボス加工したかったんで色々試してたんですが、その時に試した赤×赤エンボスがとても好きで、封筒に使いました。
試していた時の画像⬇
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封筒が羊皮紙みたいな深みがある色では無いので少し違う感じになりましたが、これはこれで良いかなと思って作りました。
⑧おしまいに。
長々と、ここまで見て下さりありがとうございます。
毎回本作りは この調子のため、どうしても一度に頒布出来る部数がオフ本に比べ用意できなくて申し訳ありません。
なにぶん私一人が作成していますので、イベントでも通販でも限られた数量の頒布であることをご理解いただければと思います。
また通販の発送までにお時間頂くことを心苦しく思うと同時に、皆様の温かなお言葉に支えて頂いております。本当にありがとうございます。
このスタンスはずっと積み重ねてきたもので、逆にこの創り方を支援していただける方が非常に多く、私自身も今後変えることは無いと思っています。
今回ここに記録をしましたが、こうしてひとつひとつ、時間かけながら気持ちも乗せて作品を作っていることを感じとって頂けたらと思います
お手にしていただくような機会がございましたら、その時はまたどうぞ宜しくお願い致します。
【歪んだ王国に使った紙】
表紙/羊皮紙 べに 220kg(廃盤色)
遊び紙/かぐや いざよい 90kg
口絵/レザック 96オリヒメ リネン 100kg
差し込み遊び紙/シープスキン古色 80kg(廃盤色) orDクラフト フラワー75.5kg
本文用紙/栄テクニカルペーパー ブラウン70kg