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アニメ「ダンダダン」に見た日本の闇【ネタバレ】

日本語の生徒に「先生、ダンダダン、面白いよ!」と勧められて早速ネトフリで配信分を一気に見た。

オープニングから、Creepy Nutsで気分は駄々上がりである。
面白くないわけがない気配。
で、面白かった。
テンポもアクションもお色気の匙加減もいい。さすが少年漫画。
本当にね、面白かったんだよ。嘘じゃない。

だがしかし。
Youtube界隈で「御涙頂戴の神回」と騒がれている——アクさら回。
あれはダメだ。
というか、なんだろ。
なんで2020年代になっても、いまだにシングルマザー、貧困、売春、不幸まっしぐら、というキーワードが感動のトリガーになるのか。
それも、先進国の日本で。
先日もnoteに書いたのだが、なんかね、弱い女性がドラマや漫画のネタの餌食になりやすい。いまだに。そんな気がしてならない。



おそらく、私が未婚で、若くて、ずっと日本に住んでいたら、この「アクさら」回に感動している海外ニキのビデオ見て、「共感だな、bro〜!」って喜んでたかもしれない。

でも、結構親に課せられた子供への監督義務がかなり厳しい、また、母子家庭への援助も充実しているドイツで子育てをしていると、日本政府の「育児、教育」に対する制度、支援があまりにもお粗末で、情けなくなる。
それが、本当にこの「アクさら」の人生で再認識してしまった。

まあ、一番のツッコミどころは、(ディスりではないです!)妙齢の女として、母としての感想だけども、生きていた頃のアクさらは、母としてどうかと思う。

どういう事情があって、女手一人で娘を育てなきゃいけなくなったのか、買春してまで借金を返さなくてはいけないのか、それは知らない。
でも、本当に子供を愛してるなら、娘をなるべく危険から遠ざけたいと思う。私なら、まず、それを考える。

そりゃ、手放したくないけれども、短期間だけでも、子供を預かってくれる施設に入れてしまった方が、子供のためにも良かったんじゃないかと思う。
だって、あのヤーさんみたいな人たちと関わっているんだから、自分の留守中に子供が何かあったら、って考えると一人になんてさせたくない。
というか、ヤーさんの監視下じゃなくても、火事とか地震とか、マン万が一のことを考えると、やっぱり小さな子は一人で留守番させたくない。

早朝からは清掃の仕事、夜は体を売る、そんな日常だと、きっとご近所さんとの付き合いもなかったと思う。
だからこそ、子供を施設に預けて、借金を返して、娘を迎えにいく、という選択肢はなかったのかしらと思った。
施設にいる子は惨め、扱いがひどい、なのかどうかはわからないけれども。
 
でも、結局娘はヤーさんに攫われて、おそらく、キルされたっぽいので、これ本当に最悪の結末を迎えたんだな、と思ってしまった。
やっぱりね、もっと日本政府がなんとかしないとダメだよ。子育て支援。シングルマザーの支援とか。
これで、海外ニキから感動されてて、恥ずかしいと思った。少しね。

この回のタイトルの「優しい世界へ」。
つまり最後、生きていたアクさらは娘をヤーさんに攫われて、自殺して「優しい世界へ」行きました。という意味なのかな。作者さんは、「この世は実は地獄で、あっちの世界が優しい世界なんだぜ」っていうことを描いていたのかな、と思ったら、ちょっとすごいなと思った。
めちゃめちゃとんがってるっていうか。そっちか!みたいな。

ターボババアの潜んでいたトンネルもそうだけど、地縛霊が、そこで暴行されて殺された娘たちの霊、っていう説明があった時も、ちょっとモヤっとしたけれどもね。
私は、フェミニストじゃないけど、ほんと、ターボババアが邪悪な男たちのタマタマを片っ端から奪ってくれればいいのに。と思いました。

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Kaya
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