逃げるなら逃げ道を確保してから。
この世で一番信じてはいけない言葉が、「辛かったら逃げていい」だ。
まさかこの言葉を馬鹿正直に受け止めている人間はいないと思うが、日本人特有の本音と建前がこの言葉の後に隠れている。
辛かったら逃げていい、だけど逃げ道を自分で確保してね。僕は(私は)逃げた後、あなたがどうなろうが知ったことじゃないし、全部自己責任だよ、と。
どうしようもなく辛い時や、周りに現状を相談できる人間がいない時、どうしていいか分からなくなり、こうしたネット上の赤の他人の無責任な言葉に縋りがちになる。特に気弱な人間ほどだ。俺も昔はそうだった。
まぁ超ドライな言い方をすると、100歩譲って女性で若くて容姿に優れていれば、救いの手はありそうなものだけどね。この世は見た目と若さと、何か他人より秀でた物がないと弱者に落ちた時は厳しい現実が待っているから、目も当てられない。男性の自殺率が女性より遥かに高い点が如実にこの現実を示している。可愛くない、そして汚い男は弱者になっても誰も救ってくれない。
辛かったら逃げていい、と言っても、理想はいつでも逃げられる様に準備をしておく、のが一番いいんだけどね、よほどの有能じゃなければそうはいかないからなぁ。各々事情があるからさ。あと、子供とか家のローンとか車とか持ってしまうともう無理だよな。
逃げたくない人間はいくらでも物でも人でも持ち続ければいいが、それが耐えられない人間や、死ぬまで働き続けたくない人間は、例えば最低限100万ほどの貯金をしておくことや、配当金で毎月数千円でも1万円でも入ってくる様にしておくことや、または実家に逃げ帰れる様にしておくとか、空いた時間にタイミーなどで日雇いバイトを経験して少しでも稼げるようにしておく、とか、とりあえずできることは結構ありそうなものだ。
言うは易く行うは難しだが、この世に産まれてしまった限り、よほどの資産家じゃない限りは、働く人や場所を選べない奴隷労働から逃れられない。
なのでいつどうなっても対応できるように、日頃からの備えは大事なんだよね。
しかし止めようが無いとはいえ、ネット上で無責任に「辛かったら逃げてもいい」なんて安易に発言する人間は全員処刑してくれねぇかな。逃げたところで、自分から死ねない限り、どの道、形を変えてなんらかの辛さは襲ってくるもんよ。今すぐ電車に飛び込めないなら、うんざりしながらも生きるしかない。
辛かった逃げてもいいと言う言葉を安易に吐く人間は、そんな事を言って気持ちよくなっているだけだと推察するが、実際問題救われるのは当人だけと言う非情な現実がある。なのでそんな言葉に縋ってはいけない。
まだ生活保護に行けと言ってくれたり、生活保護の失敗しない申請方法などをレクチャーしてくれる人間の方が、俺は人間として優しいと思うがな。