最近のネットビジネスに見受けられるもの

 何がとは言わないが、最近のネットビジネスの流れとして、結果的に弱者への攻撃に繋がっているものが多い。

 構図として、

発信者「これが欲しいのか? でも手に入らないのは弱いお前が悪い。努力していないお前が悪い。お前が弱くて悪いのだから強くなるしかない。弱いのは悪。だから俺が運営する○○プロジェクトに月数万で加入しろ。強くなれ。何もないお前が悪いんだよ」

 こうした発信に重きが置かれ、弱者=悪、だから弱いままで終わりたくないのなら、俺の、私のビジネスに取り込まれろ、の流れが主流だ。

 日本人は特にだが、傾向的に生きる為の自己哲学の様な物がない人間が多いので、他人が発信する生き方の正解、失敗しない生き方を求めている人が昨今のネットの普及により教化されやすく、そうしたネットビジネスに取り込まれやすい。

 実際経済的にも肉体的にも社会的にも弱いと、資本主義社会であり、自由競争社会なので負担を押し付けられやすくなるのは事実で、正直この社会では結論あらゆる面で強くなるしかないのだが、肝心の発信者自体、組織に適合できなかった所謂弱者層に所属しているのは悲しい事実だ。現在の地獄はそういった強者を装った弱者が、弱者を養分にしているので目もあてられないよ。

 他の発信者も同様だが、一見弱者に寄り添っている様で、その実、皆自分の事しか考えていない。そういった人間達の養分にならない為には、じゃあどうするべきかと考えたら、コツコツ自分の願望に向かって毎日カメの歩みでも進めていくしかないのだろうと思う。

 このコツコツ物事を積み上げて行く、と言う行為。一見簡単そうに思えるだろうが、大半の人間は出来ないだろう。自分は今更だが現在進行形でコツコツ物事を積み上げている最中だが、勉強にしろ稼ぐ行為にしろ、すぐに結果なんてものは出ないし、失敗するのは当たり前だ。で、目の前に手軽にドーパミンを得られる物があれば、フィジカルに弱い人間は何も成し得える事は出来ないのかもしれない。電車に乗るとほぼ9割の人間がスマホを触っているのが良い証拠だ。

 コツコツ積み上げて行く、こうした当たり前の事実から現実逃避させ、手軽に衝動や情動を満たせてしまい、何かした気にさせるのがネットとスマホと言う産物だろう。

 この世は過程はどうあれ、コツコツ何十年も結果が出るか出ないか分からいが、それでも目的に向かって積み重ねた人間が最終的に得をする様に構成されている。

 こんな簡単な事にも気付けず、ネットとスマホに忍耐力を奪われているのだから、収入も自然と低くなり底辺層に追い込まれ、ギャンブルやネットでワンチャンすらも無いアイドルに、命を削った金を注ぎ込む人間が後を絶たないのだろう。まぁギャンブルの面では、過去に労働のストレスで散財してしまった事があり特大ブーメランになるので、これ以上言わないが。

 他人が稼いだ金を何に使おうがその人間の自由だが、ふと大金を注ぎ込んで自身の行いを振り返った時に、それが何も産んでいない、何にも自分の未来に繋がっていないと気付いた時、その人はどうなってしまうのかなと他人事ながら思うよ。