セブン―イレブンとパパママストア
鷹巣にセブン―イレブンができる。
セブンの秋田初上陸は、2012年。それまでは長年、秋田県はセブン不毛の地だった。
10年ちょっと前までは、秋田のほか、青森、北陸、山陰、四国、鹿児島にセブンはなかった。意外と多かった空白地帯をここ10年でかなりつぶしている。
今年1月、セブンの店舗は2万店を超えた。郵便局の数が2万4千だというから、その8割強にまで迫る勢いだ。
セブンは、「メーカーから卸、卸から小売店」という流通の常識を破った。製販同盟を築くことで、流通の合理性を追求してきた。
その結果、流通業界における卸(問屋)の影響力は、かつてほどなくなった。
「そうは問屋が卸さない」という言葉を最近、あまり耳にしないのは、こうした背景が多少関係しているかもしれない。
セブンの歴史は、従来の常識を突破してきた軌跡だ。
酒屋、弁当屋から始まり、いつしか本屋、銀行、喫茶店、印刷屋、チケット屋、行政の窓口といったあらゆる機能を担うようになった。
今では、社会インフラとまで呼ばれるようになり、日本の消費社会にすっかり溶け込んだ。
しかしその陰で、零細小売店(パパママストア)のパイを奪って成長してきたのも事実。
最近では、am/pm・サークルK・サンクスはファミマになった。スリーエフ、ポプラ、セーブオンなどの中規模チェーンまでもが、大手と提携を始めた。
ますます、セブン・ファミマ・ローソンの三強支配の勢いが加速している。
時代の流れに淘汰されたと言ってしまえばそれまでだが、そもそも時代の流れは、消費者こそが作り出すものだ。
セブンをはじめ大手のコンビニは、店舗が画一的で、信頼感・安心感は得られやすいが、地域色や面白みに欠ける。
これだけ大手のコンビニばかりになっているのだから、個性豊かなパパママストアに消費者の関心が向いてもおかしくはない。
北秋田市米内沢にある「コンビニフライト」。
すっかり珍しくなった地場のコンビニである。
馬肉の煮つけなどのご当地グルメ、素朴な焼きおにぎり、ハンバーガーやチーズドックなど、アットホームな手作り惣菜が充実している。
このような地域に根差した個性の強い店には、ぜひともがんばってほしいと思う。
消費者は、思考停止にならず店の利点を理解して、上手に使い分けることが大切だ。
そうして多様な店が共存できる世の中になればいい。
消費者の一員として自戒を込めてそう思う。
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セブン―イレブン 北秋田鷹巣
秋田県北秋田市栄字中綱123
コンビニフライト
秋田県北秋田市米内沢大野岱12−1
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