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rewrite続・今昔物語、第一話
今となってはもう昔の話になります。美濃国(みののくに)に藤原孝範という貴族がいてその家来に紀遠助(きのとおすけ)という侍がいました。
大勢の家来のうち、特にこの遠助を大変重宝に使い、自分の出張先に長宿直(ながとのい・長期間の泊まり込みで護衛)として同行させました。
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藤原孝範の出張も一段落し、遠助は休暇をもらえる事になりました。そこで、遠助は美濃国に帰る事にしました。
遠助は従者を従え故郷の美濃国への途上、勢田橋(現在の滋賀県にある瀬田の唐橋)までやってきました。
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遠助が橋を渡ろうとすると、何やら一人の女が橋の袂に立っています。‥こんな寂しげな橋に女が一人?遠助は気味が悪い、と思いながら女を無視して橋を渡ろうと思いました。
女は遠助をじっと見つめています。遠助が女とすれ違う瞬間女は静かに、しかし良く通る声で話しかけてきました。
第二話に続く。