UFOの話を聞いた。
私が小学生の頃なので20年以上昔になります。当時の子供会で、ある大人の方が話してくれたもの。
仮にFさんとしておこう。Fさんの友人でTさんという方がいた。
ある日、TさんがFさんにUFOって信じる?と聞いてきた。
Fさんもそういう話は嫌いではない。あぁ、空飛ぶ円盤でしょ?なんかロマンあるよねぇ、と切り返すと、Tさんは次のような話をしてきた。
Tさんの自宅は郊外にある一戸建てのお家。周りは木々に囲まれている。ある晩の事、眠ろうと家の明かりを消し始めた。寝室以外は消灯して、いざ眠ろうと窓の外を見ると、何故か明るい。外灯の明るさではないようだ。強力なスポットライトが自宅を照らしているかのように、明るい。
その明かりはどうも横から照らされているものではない。どうやら家の真上から照らされているようだ。Tさんは二階に上がり、ベランダから屋根を見た。
‥‥SF映画に出て来るようなUFOがそこに居た。光源はUFOだった。空飛ぶ円盤が発光しているのだ。何か音もする。そう、例えるならスズメバチの大群が一斉に羽ばたいている様な。低くブーン‥ブーン‥ブーンとUFOが振動音のような音を立てている。
呆気に取られたTさん、暫しUFOを見上げていた。ふと、我に返って慌ててカメラを持ち出して撮影を始めた。UFOの大きさはほぼ家の屋根と同じようで、発光しながらブーン‥ブーンと屋根の上で停止している。
とりあえずこのUFOの記録を付ける事にした。目撃した日付け、場所、状態、思いつくまま記録した。もちろん写真もかなり撮った。
時間にして10〜20ぐらいだろうか?やがてUFOはゆっくりと上昇し、空の彼方へ消えていった。
興奮冷めやらぬTさん、UFOの記録をどうしたものか?と考えた。とりあえずアメリカ航空宇宙局(NASA)に送ってみようと、記録をまとめてみた。
と、そこまでの件をFさんへ話した。Tさんは興奮した様子で話し続けた。きっとNASAが何か回答をくれるだろう、と。Fさんが肝心のUFOの写真は?と尋ねる。
Tさんは、はっ、と気づく。写真も記録も全てNASAに送ってしまった事に。せめて写真の一枚も残っていれば‥と悔やんだ。
それっきりUFO写真も記録もTさんの元には戻らず。本当にNASAに届いたのかもわからない。
残念な事にTさんはもう故人なのでその後どうなったかもわからないんだ、とFさんは私に話してくれた。
‥メンインブラックが関わっているかは、知りませんが。