見出し画像

‥こんな話しを読んだ②

‥確か昔のアメリカの話しだった気がする。1920〜1960年ぐらいのアメリカ?細かい部分はほとんど忘れていて、要所のみの記憶。なので大部分はリメイクだと思って下さい。元話を知っている方いましたら教えて頂けると幸いです。

例えるなら、一部分しか発見出来なかった生き物の化石から足りない部分を想像で復元させたような、そんな話しです。

第二話 レベッカの金貨
レベッカという娘がいた。さる資産家の家にメイドとして雇われる。資産家には一人息子がいた。仮に「マイケル」と呼ぶ事にしよう。

レベッカはひとめマイケルをみて、恋に落ちた。マイケルに対し、甲斐甲斐しく世話をするレベッカ。

そんなレベッカの気持ちを知ってから知らずか、マイケルは思わせぶりな態度をとる。そして心にも無いセリフを吐く。

あぁレベッカ!おまえはなんて気の利く子だろう。おまえのような子と結婚できる男性はさぞかし幸せだろうね。

その言葉はレベッカの胸に深く刺さり、ますますマイケルに夢中になっていく。どんな辛い出来事があっても、マイケルの事を想えばこそ、耐えられた。

やがてマイケルも成人を迎え、結婚をする歳になる。レベッカはずっと想い続けていた。誠心誠意マイケルに尽くせば、きっと結婚出来るはず。そんな希望を打ち砕く出来事が起きる。

ある日、マイケルから呼び出された。レベッカ、ちょっといいかい?話したい事があるんだ。レベッカの胸は高鳴った、かつて無いほどに。プロポーズをしてくれる、わたしの想いが遂に伝わったんだ、とおもっていた。

現実は残酷である。マイケルは、結婚するんだ、と言う。婚約者の女性を呼び、この娘と結婚するんだ!もちろん祝福してくれるよね?といった。マイケルは純朴なレベッカをからかっていたのだ。更に追い討ちをかけるようにマイケルは言った。

資産家の息子の僕がメイド如きと結婚すると思ったか?まぁレベッカ、お前には大変世話になった。その事には感謝している。これは退職金代わりだ、取っておきなさい!

そう言うと、レベッカの手に5枚の金貨を握らせた。その金貨はマイケルが罪悪感を紛らわせるものだったのかも知れない。メイドの退職金としては充分だった額かも知れない。この出来事に、大粒の涙を流しながら金貨を見つめるレベッカ。
あは、あは、あははは!!!!突然笑い出すレベッカ。繊細な彼女の心は、耐えきれず壊れた。

心が壊れたレベッカは精神病院へ強制入院させられた。昔の精神病院は、一度入ったら二度と出て来れないような場所だった。「治療」というよりも患者を「隔離」しておく場所だったのだ。

毎日、手のひらの金貨をぼんやり見つめるレベッカ。そして思い出したように号泣する。彼女にとって辛い思い出ではあったが、金貨を片時も離さず握っていた。マイケルがくれた唯一の贈り物だったからだ。

そんなレベッカの金貨を狙っている者がいた。患者達の世話をしている看護婦。その内の1人が、レベッカが寝ている間に、金貨を盗んだ。どうせ正気じゃないんだ、わかるもんかと。

目が覚めて手の中に金貨が無い事に気づくレベッカ。嫌ァー!!!あたしの、あたしの金貨が無い!マイケル様から頂いた金貨が無イッー!!!

金切り声を上げながら金貨を探すレベッカ、ベッドの下、クローゼットの中、ありとあらゆる場所を探す。病院内を血眼になりながら金貨を探すレベッカ。看護婦は知らないふりを決め込んだ。

必死に金貨を探すレベッカ。勢い余って階段を踏み外し、首の骨を折りそのまま亡くなってしまった。レベッカの葬儀の日にも、金貨は戻らなかった。盗んだ看護婦はこっそりと金貨を売ってしまった。

レベッカが亡くなって2、3日経った後、病院内では噂が流れた。レベッカの霊がいる。当直をした看護婦はみな口を揃えていう。鬼気迫る表情で病院内を走り回るレベッカを見た。金貨が無イ!金貨が無イィー!!と叫びながら探していると。

金貨を盗んだ看護婦は気がきではなかったが、知らないフリをした。そのうち、その看護婦は視線を感じるようになってきた。物陰からこちらを見つめる感じがして、振り返るとそこには恨めしそうにこちらを見つめるレベッカの姿が。レベッカの口元が微かに動いている。

どうやらわたしの金貨を返して、と言っている様だった。その姿を何度も見るようになり、看護婦は次第に心のバランスを崩し始め、ひとりごとが多くなった。レベッカ許して、レベッカ許してレベッカ許してレベッカ許して。ぶつぶつと呟く。

ある日、看護婦はレベッカ許してぇー!!と叫びながら、走り出してレベッカとと同じ場所で階段を踏み外し、首の骨を折って亡くなった。

看護婦が亡くなった後も、レベッカの霊の目撃は絶えることがなく、その精神病院も幽霊が出ると噂が広まり、廃院になってしまった。

廃墟となった精神病院では、今でもレベッカが金貨を探し回って泣き叫んでいるという。

こんな感じだったかな








いいなと思ったら応援しよう!