![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84718061/rectangle_large_type_2_fe0aef8c0e391ff3e57f162b29efd185.png?width=1200)
東京駅新幹線ホームに漂う雰囲気。
東京へ帰省してまた地方の自宅へ帰る時、
必ず両親が東京駅の新幹線ホームまで見送ってくれる。
新幹線が着くまでのホームでの待ち時間、
なんとなくソワソワし始め。
着いたら、ホーム側、
両親が見える席に子供たちと座り、
出発までの数分。
手を振ってバイバイしたり、
両親のその姿を写真におさめたり。
そしていよいよプシューッと扉がしっかり閉まり、
プルルルルーッと出発の警告音が鳴り、
新幹線がゆっくりと動き出す。
その瞬間、本当に毎回なぜか泣きそうになる。
両親が二人そろって見送ってくれるこの景色、
あと何回見れるのだろう。
両親はどんな気持ちで見送っているのだろう。
いつ、私は東京に戻れるのだろう。
やはり40年近く東京で生まれ育った人間だから、いつかは東京に戻りたい。
あんなに汚くてけだるくて、
人間の全ての欲求が渦巻いているような東京。
東京にいた時はそれを当然のものとして、
気づかずにいたのだけど。
もちろん、地方に来て知った、
子育てに素晴らしい環境や友情もあるのだけれど。
でも、私にしっくり来るのは東京なんだろうな。
出発点でも終着点でもある東京駅。
東京駅のホームでは、
行く人、来る人、
希望と不安、幸せ、悲しみが、
ぐじゃぐじゃに入り混じって、
独特の雰囲気を醸し出している。
私や子供たちもその雰囲気の一部となって、
こみあげるものがある。
また、会える。
そうなんだけどね。
地方にきて、
両親のありがたみを強く感じ、
絆が深まっているのも確か。
たくさん心配、迷惑かけて、
反発ばかりしたけれど、
自分が親になり、
距離ができれば素直になれることもある。
涙をぐっと我慢して、
新幹線は超特急で走る。
一つ一つ駅へ止まる度、
日常へと戻ってゆく。
東京駅から離れると、
少し気持ちが落ち着いて、
また、がんばろうと微笑むことができる。
たくさんのお土産と、
家族からのエールを抱えて家に着く。
また、新しい日常を生きていく。