日々勉強
88箇所の温泉巡りの終了。つまり名人になるのは2月と決めた。
1週間に3箇所を巡れば、必然的に名人となる計算だ。
それが私の目標だ!!
と・・そこまでは良かったのだが、週末も週末でけっこう忙しい。バタバタと部屋の掃除をして、次の予定までの隙間時間に1つクリアしておきたいところだ。
あるじゃないか。近所の温泉。
地元温泉は、例の熱い温泉に水を入れて怒られた20年前の想い出からちょっと躊躇する。行き慣れたところなら良いのだが、初めてのところとなると、結構勇気がいるものだ。
意を決して、徒歩で温泉へ向かう。
入口は・・
出たー!!こっこれは!絶対!
のれん1枚めくるとそこは、浴場パターン。
しかも中からは、人生の先輩の声が聞こえて来る。
先客あり。
赤富士スパポートにスタンプを押し、えいっ!とのれんをくぐる。
「こんにちは」と声をかけた。
「こんにちは」
あっ。良かった。挨拶が返ってきた。
大丈夫だろうか。ドキドキしながら、服を脱ぎ振り返るも。
洗面器・・ありません。
「こっ。ここはもしかして洗面器はないのでしょうか?」
人生の先輩に勇気を持って聞いたところ、静かに上方を指さした。
あった。別府八湯の8人の戦隊レンジャーのシールのついた洗面器が上の棚に置かれていた。
良かった。しっかりかけ湯をして湯船に入る。
先輩2人は、湯船を囲うようにいったん休憩という感じで座っている。
囲まれている状態である。
「湯巡りかい?」1人の先輩が声をかけてくれた。
近所なんだけど、来たことがなかったと事情を説明したが、もう1人の先輩は、私が入ってから、こんにちは以降一切言葉を発しない。
雰囲気からして、よそものが気に入らない。
おそらくそうだ。家のお風呂によそものが入ってきた感じになるから、嫌なんだろうな。
気持ちはわからなくないが、本当に私近所のものですよー!!!と心の中で訴え、早々に湯船からあがった。
八湯レンジャー洗面器を返却し、私が着替えていると、最近洗い場の汚れがあって自分達で掃除したという話を2人が始めた。
共同温泉って管理も大変だろうな・・
「以前は黒くなかったのですか?」
と聞くと、しーん。
優しい方の先輩が「そうなんよ。」とだけ応えてくれた。
ご挨拶をして、外へでる。
泉質は柔らかく、とても気持ちが良かった。
こんな温泉があるなら、しっかり通わなくてわ。
短時間でも気持ち良く温まった。温泉の前でふうぅーっと伸びをする。
すると、中から聞こえてくるではないか。私が気に入らない先輩の叫びが。
「洗面器も、道具も持たんで来てから!」
なるほど。私がタオル1枚だったから。
先程家で掃除をして、汗びっしょりだったのでシャワーで洗髪、体も洗っており、最初から浸かるつもりしかなかった。
営業職が長いせいだろうか。負けず嫌いなのだろうか。
私はこのような時、次行くの嫌だな。とは思わない。
20年前のあの頃の私とも違う。
逆にお道具持って行ってやろうじゃないか!!
まったく!!
私というこの若者(2人から見れば)を使わない手はないのに。掃除する体力だって、私の方が数段ある。
鼻息荒く帰宅。
まずは、自分の家のお風呂掃除しよう。
そして、可愛い洗面器を買おう。
おおおっと。それより次の予定をこなさなくては。
夜は、慣れた温泉に行こう。
そして、湯船の中でふうぅーーっ!と気持ちよく伸びをしよう。
泉質も大切だが、のんびりと入れること。それがなくては、温泉の効果も落ちてしまうだろう。
しかし、あの2人の先輩のお肌。すごく綺麗だった。
泉質とのんびり。どちらを選ぶかはあなた次第。
地元温泉での信頼の一歩は、洗面器と道具。
今日も一つ勉強になった。