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エッセンシャル思考と保育 〜②あれはエッセンシャル思考だった〜
②あれはエッセンシャル思考だった
新型コロナウィルスが人々の生活様式を大きく変化させてから、はや5年ほどが経ちました。もれなく保育業界もその影響をもろに受けたと思いますが、コロナは保育業界におけるこれまでの当たり前を見直す機会にもなったと思います。ここでは園行事に絞って考えてみたいと思います。
1年の中でたくさんあった園行事。運動会、クリスマス会、生活発表会などのメジャーなものから、こまごましたものまで、前年度もやっていたからという理由で続けてきたものは多かったと思います。しかし、それに伴い保育者の身体的・心理的なストレスはかかっていたし、子どもたちもそれは同様だったと思います。
“去年もやっていたからやる“という理由で、それに大人も子どもも振り回されて結果的に疲弊していたということです。もちろん、得られるものがなかったわけではありません。コロナ禍は大人数が集まることもできなかったので、行事を開こうにもそれがNGだった。そんな時に“これってなんのためにやっていたの?“と改めて省察することができ、必要のない行事を減らすことが出来たと思います。
あの時、聞こえていたのは“保育者の業務負担を減らす“だったと思います。けれど、今思うのは、“行事を見直したことで子どもの成長にとって何が一番必要なのかを見極めることができたんだ“ということです。少なくとも私はその時は“業務を減らす“ということしか見えていませんでした。その先にあるものが見えていなかった。多くの園が“業務を減らすこと“を目的として行事の見直しをしたと思いますが、それは実は“子どもたちにとって何が一番重要なのかを見極めて、それ以外は切り捨てた“という点で、エッセンシャル思考そのものだったんですね。
まとめ
行事の見直し・撤廃は、子どもの成長に何が一番重要なのかを見極めて、要らないものは切り捨てた。それは紛れもないエッセンシャル思考である。