
【保育ドキュメンテーション】の本当の役割を考えてみる①
先日、“保育ドキュメンテーションの2次利用“というテーマで記事を書きました。行事前に作っていた保育ドキュメンテーションをその期間だけでなく、その後も使い続ける方法です。具体的には“冊子にできるドキュメンテーション作り“をテーマに密かに準備を進め、ひとまず形にした所で上司に見てもらい有用性の判断を仰ぐところまで話は進んでいます。
その業務、重複していないか?
実は私は“冊子にできるドキュメンテーション作り“の過程で、あることに悩んでいました。それは、
A:毎日配信しているドキュメンテーション=活動記録
B:保育ドキュメンテーション
の差別化をどこですればいいのか、ということでした。
Aは園として毎日配信することが義務付けられているものです。1日の子どもたちの様子を写真と言葉で伝えます。コドモンというアプリを使っているので、その作業自体は時間をきちんと確保できれば行える業務です。
一方、BはAとは別の視点で、子どもたちの姿をより細かく伝えるものです。Aではフォロー出来ない部分や、より保育者の視点を伝えることを重視して作っています。こちらは現状、毎日作っているわけではなく、行事前などに作ることが多いです。このように細かく見ていくと、AとBは差別化を図れなくもないとは思うのです。これまではそう思っていました。
ただ今回Bの方をいつもより丁寧に作ってみると、“だったら毎日配信しているものを工夫して、Bの要素を入れるようにすればよくない?“という思いが湧いて来てしまったのです。この思いが強くなっていくと、正直なところ、Bを作るモチベーションが下がっていくのを感じてました。AとBの作業が重複している気がして、時間を無駄に使っている気になったのです。(それでも今回は冊子を作るというゴールがあったので完遂することが出来ました。)
もっと深く、役割を見直す
毎日配信するA:ドキュメンテーション=活動記録は、テンプレートが決まっているので、そこに写真や文章をはめ込むだけで完成します。ですが、文字を強調することや、写真のレイアウトをこだわることが出来なかったり、文字数に制限があるので保育者側の思いを伝えきれなかったりします。
そこを補うのがB:保育ドキュメンテーション。レイアウト、デザインは作り手の自由自在なので、強調したい子どもたちの表情は大きく映せるし、保育者の思いも文字数を気にせずに載せられます。逆に言えば、テンプレが無いので自分で1から作るということです。これは慣れるまで時間がかかります。
私が勤務している園での現時点の優先順位は、A>Bになっています。また、よっぽどの理由がないとBを積極的に作る姿勢になりにくいだろうと感じています。ただBの必要性を理解していないわけでもないのもまた事実で、最大の原因は作る時間を捻出しづらいことだろうとは思います。
では時間を捻出できたとして、「じゃあ作るか!」となるのか。私は結局、“だったら毎日配信しているものを工夫して、Bの要素を入れるようにすればよくない?“に戻ってきてしまうと思うのです。きっと、ここまで書いてきたようなAとBの役割の違いだけではBを積極的に作る理由としては弱いんです。もっと深く、役割を見直す必要があるのです。もっと強い理由を探さなくてはならないのです。