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鳥精進・酒精進

初めましての方も、初めましてではない方も
こんにちは こんばんは
今年の4月に埼玉県から伊豆の河津町に移り住んだ、榎原(えのはら)です。
『かわづのくらし』では河津町の町民として、日々の暮らしのあれこれを発信しています。
◎河津町と私については→こちら

私が住む、河津町では12月18日から23日まで
鳥精進・酒精進』という昔から行われている、風習があります。

『郷に入っては郷に従え』という言葉があるように、
私も行いました!!

鳥精進・酒精進とは何ぞや? 

川津来宮神社の氏子や河津町民が
12月18日から23日までの5日間、
『 禁酒し、鶏肉、卵を食べない 』
という、古くからの風習です。

もし破ってしまったら・・・
火の災いがあると、言い伝えられています。

その由来のお話が、こちらです。

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「鳥精進・酒精進」  
 むかしむかし川津の里を杉桙別命(すぎほこわけのみこと)と言う神様がおさめていました。この里の人々は大変お酒をつくるのが上手で、おいしいお酒を作っては仕事の終わったあとに飲んでいました。この神様も大変お酒が好きでした。
 ある年の十二月、神様は天城山の見廻りに出かけました。その日は小春日和のとてもよい天気でした。ひと廻りして昼飯になりました。神様はもらっていった瓢箪から酒をついて飲みました。気持ちよくなり、枯葉をしとねに、ついうとうととてもいい気持で眠ってしまいました。しばらくたってから野火がおきて命(みこと)のすぐそばまで燃えてきました。ぼうぼう、バリバリ熱気と木々の燃える音に目をさました命(みこと)のすぐそばまで火は燃えてきます。
「しまった!これでは焼き殺されてしまう」
命は剣抜いてまわりの草を刈り払いましたが、火は命(みこと)に迫ってくるばかりです。
その時東の空の一角から小鳥の大群が近づいてきました。小鳥の羽はぬれていて、命(みこと)のそばにくると羽ばたいて、時雨の様にしずくをふらせました。

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 一群去るとまた一群、ぬれ羽の小鳥は必死になって野火にしずくをかけて、火を消してしまいました。命(みこと)はそれ以来、昼には酒を口にはしませんでした。
 村人はこんな事を決めました。命(みこと)の助かった十二月十七日から七日間火を消してくれた小鳥に感謝して、小鳥を追い払いはしない。卵も食べない、お酒も飲まない事、一〇〇〇年以上たった今でもこの決まり事は守られています。  
杉桙別命は来宮神社の祭神として祀られ、里人の信仰の的となっています。 この風習の事を迷信と言って、酒を飲んだり卵を食べた人が暮れに火事になったり、酒によって川に落ちたり、タンスの中の礼着の家紋の所だけが燃えていたと言う事も実際にありましたのでこの風習が守られているのです。
      川津のむかし話 稲葉修三郎著

正式には12月18日から24日までの7日間でしたが、
色々な諸事情があり、今では18日から23日までの6日間になったそうです。

鳥精進・酒精進をはじめて

私榎原は河津町に住み、はじめての鳥精進・酒精進でしたので気合を入れてはじめたのですが、

18日の午前10時。。。

事は起こった。

横浜土産の「横浜ハーバー」を頂いたので、
その場で美味しく頂く。

1時間経った頃
「あっ!!!!?」
嫌な予感がし

ゴミ箱をあさり、
横浜ハーバーの原材料を確認。


  鶏卵 !!!!!


 はい 終了。

初日にやってしまうなんて‼‼‼‼‼(落胆)

もう厳密に今年は出来なくなってしまったので、
今年はゆるくやろう!
と開き直り引き続き行いました。
来年はちゃんと守ろうと心に誓って…

3日目の20日には、大好きなスーパーに買い物に行ったら
ターキーレッグが値引きされていて、これは買いだよ!!

と手を伸ばした瞬間

「あっっっぶない!!!」となりました!

何気なくトラップが仕掛けられているとは、思いもよらなかったです。
お惣菜コーナーを通った時も、
おばあちゃんが何かお惣菜を取ろうとしていた時に
『あ‼ダメじゃない。』と言って戻していました。

私みたいに、河津町に元々お住まいのような方でも
あちこちにあるトラップに引っかかりそうになるんだなーと
なんだか、親近感を感じました。

色々な所に本当にトラップが沢山仕掛けてあり、
この期間は大変だな。河津町民。と、ひしひしと感じました。

いつも意識しないで鳥を食べていますが
すごく『鳥』にお世話になっているんだな~。と知りました。

鳥精進・酒精進を終えて

もともと私は下戸なので、「お酒を飲まない」は余裕でしたが
隠れ卵はついつい加工されていると分からず口に入れてしまうし、
分かっていても無意識に鶏肉に手を伸ばしてしまう事に驚きました。

人それぞれパンオッケー、加工食品の中の卵オッケーなど、自分ルールがある人がいたり、長いこと河津町民でも「あっ!食べちゃった」とかあるみたいです。聞くところによると😅

また、川津来宮神社の氏子ではないからや、地区が違うからといった理由で河津町民でも一部の方は、行わないみたいです。

しかし、私は来年は今年の未練を晴らすべく、完璧に行うと宣言いたします!!来年ですね!

早いですが、来年私と一緒に行いたい!という方がいらっしゃいましたら、榎原までご一報ください。

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来宮様の大クス

また、お酒が大好きで酔ってしまった杉桙別命(すぎほこわけのみこと)の神社である「川津来宮神社」では、『来宮様の大クス』も祀られています。
これもまた見事な巨木で、神々しいご神木です。

榎原、毎回見に行く度に鳥肌ぶわーーーーと立ちます。
川津来宮神社については、また別の機会にきちんと知識をつけてから 
紹介したいと思います。

ではでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。 

榎原