デジタルとアナログ
昨日の日記の中にあったキーワードを題材に今日の日記を書く、ということをやってみる。
デジタルとアナログ、この話題になったときに口に出すかどうかは別として、私の頭に毎度必ず浮かんでいる思い出がある。学生時代の思い出だ。
友達の家で、CDとレコードの聴き比べを初めてした時のことである。この時聴いたのは、ライヴ盤としては名盤中の名盤と言っても過言ではないDonny Hathawayの「LIVE」。同じアルバムをデジタルとアナログの両方で友だちが持っていたのだ。先にCDを聴き、その後でレコードを聴いた。目を閉じて聴いていた私は本当に驚いたことを今でも鮮明に覚えている。バンドがそこにいるかのように感じられたのだ。レコードの音から感じられる奥行きや臨場感といったものの豊かさはCDとはまるで別物だった。
20年以上前、CD全盛期の時代ではあったが、DJを仕事や趣味にしている人たちがレコードを箱に入れてカートに載せて引いて移動するのが当たり前の光景だった頃だ。(まだいるのだろうか。いそうな場所にはもうあまり行かないせいか全く見かけない。)そんな時代でもすでに同じ環境で同じ曲を聴き比べる機会はほとんどの人にとってなかったのではないかと思う。
デジタルの良さは割と簡単に伝えることができる。アナログの良さは体験してみないとわからないのかもしれない。しかも比べてみないと気付かないような、人によってはどうでもいいような違いでしかないのかもしれない。何においてもそうだが、自分が興味のないものにおける些細な違いは、違いがないのと同じである。しかし、音楽については、聴くのが大好きな人でもアナログの音を聴いたことがない人が特に若い人には割といるのではないだろうか。オーディオマニアになる必要はもちろんないが、興味があれば一度試してみてほしい。
ここまで書いてから思い出した。しまった。最近カセットテープやレコードが若い人の間で流行しているのだった。なんだ、好きな人たちいるじゃないか。あらゆるものが多様化している現代、一定数いて当然だった。お恥ずかしい。が、この日記も残しておこう。失敬失敬。
では、また。