ここは情熱の国、ベトナム
本日1月27日は、私が住むベトナムにとって歴史の転換期になりうる日であった。現在、中国で開かれているサッカーアジアカップU23の決勝戦が行われた日なのだ。
「U23?なにそれユースじゃん」と思われた日本の皆さん、少しだけ聞いてほしい。ベトナムのU23代表がアジアカップの決勝まで残ったことがどれほどすごいかというと、「日本A代表がW杯ベスト4に進んだ」くらい凄いことだと思ってほしい。
ベトナムではサッカーは国民的人気を誇るスポーツである。その人気を裏付けるかのように、ベトナム代表が国際試合で戦う日はいつも乱痴気騒ぎの町が、静まるほど、皆サッカーを観ているのだ。
これまで、ベトナム代表といえば、良くてASEAN内の大会で2回戦くらいにいくのが普通であった。しかし、今回はASEANではなく、「アジア」杯である。
これまでベトナムは本選にすら出たことがなかった。今回初めて本選に上がったと思ったらあれよあれよという間に決勝まで来てしまった。相手はウクライナ代表。これまで、日本を4対0で蹴散らし、韓国も4対1の大差で破っている強敵だ。普通に行ったら間違いなく勝てない。しかし、勝てば世紀のジャイアントキリングである。
では結果はというと。。。惜しくも「2対1」で敗れてしまった。
それでも本当によく戦ったとTV越しから伝わってくるものがあった。
天候は運悪く、吹雪の中行われていた。ベトナム代表の方は人生初めて雪を見た人、多かったんじゃないだろうか。そんな中、世紀の一戦を戦わないといけないのだから、各自相当なプレッシャーだったのではないか。
慣れない雪の中、懸命に戦う彼らを観ていてこみ上げるものがあった。ウクライナ代表の方が雪には慣れている。しかも体が全員でかいでかい。それでも巨体に向かっているベトナムU23代表選手たちを見て、真夏の甲子園球児を応援している気持ちになっていった。
ベトナムは経済成長しているとはいえ、まだまだこれからの国。でも有り余る資源は若い人たちが持つ情熱なのだ。かつてある小説で「日本には何でもある。だが、希望がだけがない』と書かれていた一節を目にしたことがある。ベトナムに置き換えると、「この国は未来へ向けた希望しかない」と言える。 これこそが何物にも代えがたいこの国の財産だと思う。僕はこの情熱にあてられて、何かやったるぜーと思い、ベトナムに単身飛び込んできてから早7年が経った。
まだまだ道半ば過ぎるけど、当初から変わらない人々の持つ圧倒的な情熱が僕はやっぱり好きなんだな。この人たちと何か面白いことをやりたいと思った7年前の気持ちは間違っていなかったと。そう思えた一日なのでした。
また日々を綴っていきます。次は妻との異文化ギャップ生活の一端でも紹介出来ればと思っております。
それではまた!