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撃ち抜く男
皆さんこんちゃ(。・ω・)ノ
かぜねこです。
前回、たくさんのリツイートといいねありがとうございました😃
とーーーーっても嬉しかったです。
せんきゅーぼす。
※※※※
この業界は狂っている。
傍目から見ても、中から見ても狂っている。
中でもスタッフ、キャスト共に頭のおかしい人間が集まって組織を形成しているのは
やはりこの業界を象徴している。
中里という男がいた。
若い頃の千原ジュニアに雰囲気がそっくりの男だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1733871962-8aevXiJCgtY1Us2QBxpL6Go4.png)
体型は小太り。身長は175くらいだろうか。
見た目はいかついが客に対しての愛想は良かった。
そこが買われたのだろう。フロント業務をメインに中里は日々躍動していた。
しかしここは風俗店の受付である。
生半可な客は少ない。
客のほとんどは目を血走らせ、1円でも良いから安く、そして良い女とニャソニャソしたいと意気込んでいる。
中里には悪い癖があった。
それは割引を執拗に求めてくる客が連続するとストレスが爆発し、叫びながら店の壁を殴るのだ。
中里のパワーは半端ではない。
右腕は丸太のように太い。
元空手部というだけあり、打撃の速度、パワー共に人並み外れていた。
殴った壁には穴が空き、店の壁はトムとジェリーに出てくるチーズのようになっていた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165286690/picture_pc_28a96410b07fc70f345d86c0a4d83395.png?width=1200)
この日も割引を執拗に要求する客が連続し、中里は大噴火した。
かぜねこ「あれ、中里さんは?」
同僚「あー中里さん今 壁 行ってるよ」
裏から怒号が聞こえる。
中里「やっちまうぞまじでよ!!!俺のことなめんなよまじで!!」
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165287065/picture_pc_fb6f36ca3c472f1017e99a5c18dfbe91.png)
(またやってんかい、あのおっさん)
地割れのような音が2発ほどした後、中里が戻ってきた。
中里「さぁ、接客していくよ〜、はい、いらっしゃいませ〜」
かぜねこ「やや二重人格」
同僚「もしかしたら壁殴ったら人入れ替わるイリュージョンかもしれないね」
切り替えが出来るのは素晴らしいことだが、やり方にやや難がある。
何より新人の社員やキャストがこれを見たら辞める可能性は大いにある。
大きな問題になる前に俺は店長と主任に相談した。
※※※※
かぜねこ「ぶっちゃけ中里さんの壁殴るの辞めさせた方がいいっす。新入社員がびびって辞めちゃいますよ。」
店長「たしかにね。何かいい案はある?」
主任「うーん。サンドバッグを事務所に置くとか?」
(こいつら発想終わっとる。どないもならんやろ)
ろくな解決案は出なかったのでひとまず俺と店長が同席し、中里と話し合いの場を設けることになった。
営業終わり店長が中里と俺を呼び、口を開く。
店長「中里ぉ〜、おめぇの接客はいいんだけどよぉ〜イライラして壁殴るのどうにかしろやぁ~」
中里「そうは言われましても、、」
店長「いいか?現場は戦場なんだよ。わかる?隙見せたやつから◯されるの。戦いに勝つ前に白い歯見せるやついるか?そんなやついの一番に撃たれるだろ?それと一緒だぞ?今のおめーには隙ないのか?ん?」
中里
「隙は、、、、あります。」
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元気がない◯保方さんみたいになっていた。
店長「だろぉ?だったら隙見せねぇ営業しろや。てめぇももう大人だろ?2度と白い歯見せんな。」
語り口調、詰め方といい、俺は店長の慣れ具合に驚いていた。店長を名乗るだけある。
いつもごねている中里が借りてきた猫のようにおとなしく話を聞いていた。
ふつうにしゅごい。
この日から中里は全く壁を殴らなくなった。
店長のおかげである。
※※※※
当店のスタッフは営業終了後、締め作業を行い終礼をしてその日の業務は終了する。
終礼前だと全員もう帰れることにテンションが上がり和気あいあいとしていることが多い。
俺もその1人だ。
店長がスタッフに声をかける
店長「はい〜終礼するよ〜」
そして皆ぞろぞろと円形に集まる。
俺と中里は向かい合う形で立ち、終礼に参加する。
全員が揃い、主任が口を開く。
主任「はい!じゃあ終礼始めます!」
通常通り終礼を行なっていたが、少し話が逸れて主任がスタッフの笑いを取る場面があった。
上司の話はクソおもんなくても愛想笑いでもいいから声を出して笑いながら聞く。世渡りの基本である。
かぜねこ「ははは、主任おもろいっす。」
すると対面にいた中里が
ドンッっっ!
![](https://assets.st-note.com/img/1734662959-gnz8ZHs2OjqFXuheoWtmNCAf.jpg)
突然俺に
ハートブレイクショット
を打ち込んできた。
意識の外から来るパンチというのはとんでもないダメージを与える。
そして俺が殴られた痛覚が脳に発信される寸前に中里は
どんっっっっ!!
![](https://assets.st-note.com/img/1734663105-70uXRFGCbsPNvQU1emM58rol.jpg)
すかさず2発目の
ハートブレイクショット
を俺に打ち込んだ。
本当になぜ殴られたのか分からないまま俺は心臓を抑え込み床に倒れ込む。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/166456700/picture_pc_c92a8c20c1be747e7db63058c0954499.png)
ハートブレイクショットを受けた人ならわかると思うが心臓があり得ない心拍数になり、血液が心臓に目掛けて一斉に集まっている感覚になる。
捌かれる前の鯉のように口をパクパクさせていた。
終礼に参加していたスタッフはざわざわしている。
成人男性が突然2発殴られ床に倒れ込んでいるのだから。
普通に傷害事件である。
店長が中里に聞く。
店長「おぃ〜中里ぉ〜なんでかぜねこ殴ってんだよぉ〜」
中里
「え??ここは戦場ですよね?白い歯見せたやつから撃たれるのは当たり前でしょ」
とんでもない理由で俺は心臓を2発撃ち抜かれていた。
店長が中里をしっかり怒ることを期待しながら俺は店長の返答を待っていた。
そして中里の言い分を聞いた店長が
店長
「まぁ確かに。それはそうだな。
白い歯見せたかぜねこが悪い。
よし、今日個人の反省ある?ないなら今日の終礼は終わり!お疲れ!」
かぜねこ(絶対転職しよ。。。)
本当にとんでもない職場である。
ーendー
※多分フィクションです。
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