風俗店員物語vol5
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前回の記事⬇︎
https://note.com/kawayanmath/n/n17651810b9d5
前回の記事を見てもらった方は
こいつ、自分が仕事出来て
モテた話したいだけやん。
こう思った方もいるだろう。確かにホール業務に関しては仕事が出来ていたと思う。コミュ力でどうとでもなる部分が多かったからだ。
しかし次の業務を覚える段階で俺は大きく躓き、次々と失態を犯し続ける。今回はそんな話だ。
では本編へ。
恐怖⁉︎リスト編
まず「リスト」について簡単に説明する。リストとはホールの人間に指示を出したり、女の子のお出迎えとお見送りなどが重ならないように管理するポジションである。普通のホテルでいえば フロント と呼ばれるポジションにあたる。
店舗型の風俗に行ったことのある人なら分かるかも知れないが室内に電話が付いているのを見たことはないだろうか。あれでリストと連絡を取って、お見送りなどのタイミングを聞いているのだ。
ホール業務、送りを覚え、最速でも半年以上勤務してからしか任されないキャスト管理を任されていた俺はグループ内で異例の新人として噂されていた。
そんな新人をこの2人が妬まないはずはない。
そう、田中、菊池コンビだ。
今まで俺の話では田中の清掃が出来ないことしか挙げていなかったが菊池もなかなかの猛者である。
菊池は清掃に関しては完璧である。文句が出ることは一切ない。毎日賞金を獲得している。
だが菊池には重大な欠点があった。極度のあがり症とコミュ障なのだ。
そのため接客時にはペッパー君になっている。
菊池「イラッシャイマセ、ゴヨヤク ハ アリマスカ」
客「ありません。初めて来たんで、店のシステムとオススメの女の子教えて下さい。」
菊池「ショウショウ オマチクダサイ」
そして俺の方へ来て
菊池「おい俺!新規の客が来たから接客しろ!」
菊池は自分より年下の人間や、立場が下の人間にはあり得ないほど強気になる。完全なる内弁慶だ。ペッパー君の機能にも内弁慶モードを追加しておいてほしい。
俺「ハイ」
今度は俺がペッパー君だ。
このようなやり取りが1日10回はある。
菊池はこの店の常連か予約のある客の対応しか出来ない。
しかしこれは非常においしい話なのだ。
この店は新規の客には店のシステム、注意事項など話し、パネルを出しキャストの特徴と客の好みを踏まえて女の子をおススメする。
ここで接客が気に入られると客とラインを交換し、客は個人的に俺を通して予約することが出来る。こうして入った予約に関しては俺に500円のバックが入る。
そのため1人1人の接客にも非常に力が入る。新規の客をしっかり捕まえ自分を通して予約させれば大きな収入源になる。
菊池の分の新規の客も俺が巻き取っていたので俺はかなり新規の客を扱うことが出来ていた。勤務中にも予約の電話があることも多々あった。有り難い限りである。
ある日主任から声がかかる。
(主任を登場人物に載せ忘れてました。簡単に主任の紹介をしておきます。
主任‥名前が多くなるので主任でいきます。速水もこみちを89回くらいダビングした顔。イケメン。背は低い。30代。)
主任「俺〜!ちょっと来て〜!」
俺「はい。何ですか?何かやらかしましたか?」
主任「いや、そんな話じゃないよ。仕事も出来てるしそろそろリスト業務覚えてもらおうかなと思って。」
俺は衝撃だった。リスト業務は大体仕事を始めて2ヶ月くらい経ってから教えられる業務である。
だがこの時俺は天狗だった。異例の新人と噂され有頂天になっていた俺は新しい仕事を断るということを絶対にしなかった。
俺「わかりました。やります。」
リストの業務は主に4つある。
①キャストの出勤確認
②予約の電話の対応
③キャストのお出迎え、お見送りの管理
④部屋の使用状況の管理
である。
ただ昔から俺はこういう管理する仕事は非常に苦手だった。
主任「じゃ、俺は隣にいるからやっていこ。まずキャストの出勤確認からしていこうか。」
俺「了解です。」
まず①のキャストの出勤確認を行う。
キャストにひたすら電話をかけ、出勤出来るかを聞く。当日欠勤するキャストも少なくないからだ。中には店からの電話をアラーム代わりにしているキャストもいる。
電話していないとキレられるので必ず電話するように主任から言われた。
次に②予約の電話の対応だ。
予約の電話にはマニュアルがありそれを覚えるだけだったので問題無かった。
予約の電話の対応も出来るな。
結構楽勝なんじゃないか。
そう思っていた。
後に数々の過ちを犯すことになるとも知らずに。。
主任「やるじゃん〜。流石だね〜。よし、じゃあお出迎えとお見送りもいってみよう!」
主任は非常に人柄が良い。田中や菊池みたいに性格が歪んでいることはない。それにとても褒め上手だ。
ここまでは本当に順調だった。
しかしお出迎え、お見送りで事件は起きる。
ここで説明しておきたいのが、基本的にお見送りとお出迎えは他の女の子とかち合ってはいけない。自分の選んだ女の子より他の女の子の方が可愛かったら残念な気分になってしまうし、何より身バレしたくない女の子がいるからである、
この店では高い金を払っている分、時間内は恋人といるような空間を作りたいというのがこの店のコンセプトだ。2人だけの空間を提供することが重要視されていた。
そのコンセプトに反することをリストは絶対に避けなければならない。
俺はお出迎え、お見送りの管理をして3時間ほどは客もまばらだったので対応出来ていた。
しかし1番忙しくなる夜19時〜21時頃の時間帯でミスを連発する。
1.お出迎えとお見送りをかち合わせる。
➡︎めちゃくちゃ気まずい雰囲気になり、キャストブチギレ
2.プレイ中の部屋にキャストを誘導する。
➡︎プレイ後にお客さんから
「突然、部屋に別の女の子来たから、びっくりしてち○ち○大人しくなっちゃったよ(笑)」と言われ、死にたくなる。
3.プレイ中の部屋を清掃させる。
➡︎田中に清掃を行かせたが別の意味でイキそうになった。と意味不明な言動を繰り返していた。
4.プレイ中にコールをする。
➡︎1番やってはいけないミス。キャストもお客さんもパニックになる。
というリスト業務でやってはいけない四天王全てを制覇するという快挙を成し遂げた。
キャストの中には俺のミスで迷惑を被り、ブチギレている子もいた。
北斗の拳で使われる世紀末とはこの日のことだったのだろう。間違いない。
そして、この日の営業は俺のリスト業務によりてんてこ舞いになり終了した。
主任も最後の方は笑っていた。
主任「こんなミスするする奴久々に見たよ笑 ま、ミスするなら最初のうちだしミスをたくさんして成長してくれれば俺は何も文句ないよ。期待してるからね。」
主任はいつも通り、優しかった。
実は裏でブチギレていたキャストをなだめてフォローしてくれていたらしい。どこまでも優しい。
俺「本当にすいませんでした。調子乗っててすいませんでした。」
主任「今日はもう上がっていいよ。また明日頑張ろうな!辞めんなよ!」
この業界はキツく怒られたり、仕事が全く出来なかった次の日に飛ぶことが良くある。
主任はそのことをよく分かっていた。
俺「これで辞めたら情けなさすぎるんで絶対明日も来ます。お疲れ様でした。」
帰り際に主任は今日の俺のミスをまとめて改善策を書いた紙をくれた。 来世のために徳を積んでいるとしか思えない行動だ。
俺は帰り道1人で泣きながら帰っていた。情けなさすぎる自分への腹立たしさ、そして期待してくれていた主任に対する申し訳無い気持ちで涙が止まらなかった。
携帯が鳴る。社長だ。
社長「うぃす〜。今日全然仕事出来やんかったらしいな!良かったな!」
この人はデリカシーという言葉を知らないのだろう。
俺「何が良いんですか。」涙声で返す。
社長「なんや、泣いてんのか。お前な、まだ働き出して1ヶ月経ってないねんぞ?今のお前がリスト完璧に出来てたら上の奴ら何してんねんてなるやろ?」
俺「たしかにそうですね。」
社長「お前の勢いは確かに大事や。これからもどんどん仕事前倒しで仕事覚えていけ。
出来へんことがあるってことはな、
そんだけ伸び代があるってことやねん。
くよくよせずに前に進め。
頑張る奴は応援したる。」
人からかけられた言葉で社長のこの言葉より胸に刺さる言葉は俺のこれからの人生で恐らくないだろう。
俺「ありがとうございます。頑張ります。」
泣きすぎて顔はグシャグシャだったと思う。途中に寄ったコンビニの店員は俺の顔を見てドン引きしていた。
ピコーン。ラインが鳴る。
店のラインからだ。
店「今日迷惑をかけた4人のキャストから明日の自分達の部屋の清掃は俺君にさせろと言われました。恐らく説教でしょう。御臨終〜(笑)
菊池 田中」
この2人は相変わらずだった。早く出世して彼等より上の立場に立とうと強く思った。
**次回 風俗店で違反した客はどうなんの!?編 part1 **
(風俗店で違反した客はどうなんの!?編 part1 part2に関してはかなり内容が際どいので鍵掛けの意味合いで有料とさせて頂きますm(_ _)m
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