40歳になりました。
こんにちは。文学サークル「ペンシルビバップ」の川和真之です。
先日誕生日を迎えて、ついに40歳となりました。いやあ、はやいなぁって思います。まだ何も成し遂げていないのに、もう40歳か。なんて思ったりもするのですが、この10年間、なんにもしてこなかったわけではなくて、これが自分のペースなのだと思います。
30代前半期は、執筆活動としては充実期でした。前職のモーレツサラリーマン時代に別れを告げて、2年とちょっと、職歴を止めて2回目の大学生を謳歌しました。
もしあのとき仕事を辞めていなかったら、代わりに執筆を辞めていたかもしれない。それはわからないけれど、それでも、いまよりも成長はゆるやかであったのは確かです。執筆と並行するには、あまりにも忙しすぎました。あのときの決断があったから、いまがあるのは間違いなさそうです。
この時期にしかできなかった経験としては、やっぱり人を介してやってきたことですね。外から見ればただのフリーターである、そんな僕に対する扱いとかは、忘れられないですね。一方で、仲良くしてくれた人たちにも感謝です。あと何百万円も借金したので、お金がないという危機感も知りました。初めてマラソン完走したのもこのときです。いろいろしたなぁ。
30代中盤期は、新しい仕事の日々でした。国語科の免許を取って、新たに高校の国語の先生をはじめたわけですが、もう、ほとんどこれしかしてないですね。あれ、執筆は? って感じです。
しかし、まったく書けなくなったのです。理由はなんなのか。当時は、こんなふうに説明していました。「現実が楽しすぎて、充実していて、虚構を立ち上げるまでもなくなってしまっている」と。なんか浮ついているなぁって感じ。ほんとうかって感じですよね。
いま振り返ってみると、そんな込み入った話ではなくて、シンプルに忙しかっただけですね。前職に引き続き、新しい職場も、モーレツに働くことが許されているというか、そうしないと成立しないというか、そういう側面があったので。
例えば、明日に新しい授業がある場合、帰宅してからも、お風呂入っている時間も、朝起きて支度をして通勤している間も、ずっとこの新しい授業のことが頭から離れないんですよね。いまはもう違うんですけど、最初の数年間くらいはこんな感じでした。
では、次の日に授業がないときに執筆すればいいのではないか。そんなふうに考えたこともあったのですが、授業がない日は部活動があるんですよね。僕は吹奏楽部の顧問で、最初の学校ではコンクールもすべて指揮を振っていましたから、ほぼ毎日合奏があるんです。これがまあ、授業と同じ性質をもっておりまして。
指揮者。これを完全アマチュアとして請け負うとはなかなかな状況ですよね。相当特殊な環境です。というかまあ、ほんとうの指揮者にはなれないんですよね。教育者としては、まあなんとかやれる、そんな感じです。
とはいえ研鑽しないと無理です。指揮法習って、ピアノレッスンに行き、歌のレッスンにも通い、音楽関連の本なんて100冊くらいは読んだんじゃないですかね。コロナになるまでは週1回は何かしらの演奏会に行って勉強したりもしていました。いろんな人からいろんなことを教えてもらって勉強する毎日でしたね。
これを執筆でやれよ。みたいな気もするのですが、この時期においては、音楽研鑽もまた、いちおう仕事の一部だったわけで。うーん。でもやっぱり、楽しかっただけかもしれませんね。夢中で音楽と向き合っていました。もともと音楽好きなので。いずれにせよ、ほとんど書けない時期でしたね。
そして30代後期です。いちばんのトピックはやはり結婚したことでしょう。結婚して驚きました。ついに執筆できるようになったのです……!
なぜならば、外からの目が近くにいると、しゃきっとするからです。これ、結婚する前から、文学サークル仲間から言われていたんですけどね。
「川和さん、結婚したら今よりも書けるようになるかもしれませんよ。二人で暮らしていると、ずっとベッドでだらだらしていられないし、執筆はどうしたの? みたいなことを言われて、やらなくては、みたいになるし」
最初こう言われて、あまりピンと来なかったのですが、いやはや、ほんとうにその通りでしたね。
しゃきっとする、というのは、つまりは正常となる、という意味もあって、部活動との関わりが結婚を機に正常化されていったことも大きいです。
部活動とは仕事っぽいけど、仕事ではない、みたいなあいまいなものでして。部活動を一人で受け持つと、月のおやすみ1日とかになるときもあって。それでいて、家に帰ってからもずっと音楽研鑽していましたからね。でもそれはもう、許されないわけです。家庭ができましたから。
もちろんそれにより新たな悩みが生まれたりするのですが、いまは多くの大人との協力プレイに移行させてもらったため、部活動に関する時間は劇的に削減されました。その隙間から、執筆の時間が捻出されるようになったのも大きい気がしますね。
40代はどうなっていくのか。もちろん分かりませんけれど、体制が整いつつあるのは確かです。いよいよ、勝負のときな気がします。ここまでの道のりは無駄ではなかったと信じて頑張っていきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。今日も負けない心でいきましょう!