評価されないスキルは「見せられて」いない
スキルとは、必ずしも「高いレベル」にあることは必要とされない、個々人の持つ能力のことだが、しかし、それはもちろん誰でも持っているはずなのに、誰でも「評価される」とは限らない。
なぜか。
スキルを持っていることと、評価されることの違いはどこから生まれるのだろう。そう考えると真っ先に、「やはり”高い”スキルでないとだめなのだ」と思いがちである。
しかしそうではない。スキル、つまり能力値が高いか低いかにかかわらず、それを評価するあるいは評価されることは、別の理由によって決まる。なぜなら「評価」という行動には必ず、それをする人がいて、その人物が手に入れた情報と培ってきた価値観に左右されるからである。
スキルが高いかどうかは人の主観による。だから、高ければ必ず評価されるわけではない。スキルの評価基準はそこではなく、そもそも、まずそのスキルが「あるかどうか」「どのようなものなのか」がわかっていることが、何よりも、どんなことよりも大切なのだ。
知らなければ評価することすらできない。本当に、それだけのことなのである。
つまりスキルとは、アピールされなければならない。
持っているだけではだめで、高めているだけでもだめだ。それらは評価という行為に寄与しない。それよりもアピールなのである。スキルがあるのだと知られる、知らしめることこそ重要であり、それ以外はまた別の問題に過ぎない。
評価を求めるのなら、アピールを。スキルとは、その人にとってはアイデンティティだが、他者にとっては最初はアピールポイントでしかないのだ。持っているだけで価値あるものという考えは捨て、それを対外的に知らしめることを考えなければ、評価など到底、されるはずもない。
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