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【 返校 言葉が消えた日 】 感想vol.041 @大阪ステーションシティシネマ⑧ 21/8/8

19/台/シネスコ/監督:ジョン・スー/脚本:ジョン・スー、フー・カイリン、チェン・シンケン/撮影:チョウ・イーシェン

台湾で開発され世界的にヒットしたホラーゲームを映画化した作品。私自身、ゲームを全くやらないので存じ上げなかったが、ポスタービジュアルと台湾映画というのに惹かれ、観賞に至る。

ストーリーについて。舞台は、戒厳令下の台湾にある高校。国民党により人々の相互監視と密告が強制され、少しでも不審な行為をすると、反体制派とみなされ、投獄、処罰されていた時代。その中にあっても人の知識欲というものは消せず、政府によって禁じられた本を読む、秘密の読書会が開かれていた。ある日、放課後の教室で一人眠りに落ちる少女。目を覚ますと、学校は別世界に繋がっていた。同級生と先生を探していると、怪物に追い掛け回されたりする。何とか逃げ回り、学校からの脱出を図るも、外へ出られない。校内を歩き回るうちに、何故、同級生と先生が消えてしまったのか、その謎の正体が姿を現す。

こういった題材の映画であるなら、ここで、ホウ・シャオシェンとかエドワード・ヤンと比べてどうだとか書きたくもなるが、そのつもりはない。そもそも比べて評するものではない。毛色が違い過ぎる。

ゲーム原作ということもあるのだろうけど、いや、ホラーがすごく邪魔。お話としてはとても面白いのに、ホラーがほんとに邪魔。集中したいのに驚かせようとするから、イラっとしちゃう。なかなか時系列の入れ替わる難しい構成を取っているので、余計なことをされて、ややこしさが増してしまうわよ。この部分がなかったら、もっと評価できたと思うので残念。今度はホラーを抜きにした、違う形で発表してくれると有難い。

何度も書いて申し訳ないが、ホラー部分がなかったら、本当にいい映画。自由を奪われながらも、未来を夢見る生徒と教師。その中に生まれる同級生への淡い感情と片思い、先生と生徒の禁断の恋、引き裂かれる家族。台湾の青春映画の持つ温度感が個人的に好きなので、この路線で行ってくれれば良かったのにと歯痒い思いでいっぱいだ。

全く映画と関係はないが、主演のファン・レイシンを演じたワン・ジン。彼女は14歳で小説家デビューしたそうな。確かに聡明なお顔立ちをしておりますな。

昔は事前知識がないと難しい部分があったので、台湾史について個人的に勉強していた時期もあった。この映画を観てゲームをやろうという気にはならなかったが、台湾史について再度勉強し直そうかと思いました。

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