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便利家電全否定の父親を説き伏せて、実家にドラム式洗濯乾燥機を導入させた話
自分で洗濯をするようになって、最初に思い出したのは、子ども時代の寒い日に濡れた洗濯物を素手で干していた母の姿だった
しかし、私の親はお世辞にも褒められるような親ではなかった
どちらかといえば、いわゆる毒親寄りだったと思う
あれはダメこれはダメと言う一方で、自分たちの好きなことは私にやることを強要した
たとえばー
ピアノをやりたいと言えば、無駄だからやめろ
(どうしても弾けるようになりたかったから、休み時間などに音楽の先生に習った)
ダンスを習いたいと言えば、将来役に立たんからやめろ
イラストを習いたいと言えば、そんな暇があるなら塾で勉強を習え
(どうしても描けるようになりたかったから、図書館でイラスト集を借りて模写して練習した)
一方でー
夏になるとキャンプには毎週のように連れて行かれた
(友達と遊びたいのに、強制的に連れて行かれた)
冬になると毎週のようにスノボに連れて行かれた
(友達と遊びたいのに、強制的に連れて行かれた)
計算が早くなるようにと、そろばん教室に通わされた
精神を鍛えるためとか言って、空手教室に通わされた
こんな風に、私のやりたいことで自分達が興味のないことはやらせず、私が興味なくても自分達に興味があれば強制的にやらされた
これを毒親と言わずして、誰を毒親と言うのか
そんな親だった
…しかし、強制的にやらせられたことが今役立っていることは多く、育ててもらった恩があるのも事実
よって、冒頭の話に戻るけど、母が素手で冷たい洗濯物を干していたことを思い出して以降、ずっと何とかしてあげたいと頭の片隅で思い続けていた
ドラム式洗濯乾燥機を初めて使ったとき驚愕した
ドラム式洗濯乾燥機の存在は知っていたものの、30万もするし、電気代は高くなりそうだし、乾燥すると服は縮むらしいからと、主夫になってからもずっと縦型を使っていた
室内に干すとはいえ、寒い冬に濡れた洗濯物を素手で掴むのはかなり地獄だった
どれだけ指先が割れたかわからない
そんな状態だったため、徐々に洗濯がイヤになり、ドラム式洗濯乾燥機にへの興味が膨らんでいった
そして何となくTwitter(現X)で使用感などを聞き、多くのフォロワーさん達から色々な意見を聞き、購入することを決意
ついにドラム式洗濯乾燥機を購入し、洗濯物干しから解放されたのだった
実家にドラム式洗濯乾燥機を導入させることを決意
使ってまず思ったのは、「洗濯ってこんなに楽だったっけ?」ということ
それもそのはず
洗濯の中で一番の労働である、「洗濯物干し」がなくなったのだから
極寒の日も、豪雨の日も、曇天の日も、晴天の日も、真夏も、真冬も、一切関係なく、365日起きたら乾いているのである
(※毎日寝る前に、翌朝起きるころに終わるようにセットしている)
これで楽と思わないわけがない
と、同時にこれだっ!と思った
母にもドラム式洗濯乾燥機を使ってもらおう、と
我が家の購入時期は、奇しくも帰省シーズン直前
次に帰省した時にドラム式洗濯乾燥機を導入させようと考えた
いつもはなかなか気の進まない帰省だが、この時だけは早く帰省したくて仕方なかった
家事育児に理解のあった父親だったけど、家電には否定的だった
帰省して即ドラム式洗濯乾燥機を買ったことと、いかに便利かを説いた
だが父から帰ってきた言葉は「現状手で干して問題なく乾くし、洗濯機が壊れてもいないのに、何故30万も出して新しい洗濯機を買う必要がある?」だった
母の代わりに料理を作ったり、母の代わりに掃除をしたり、子どものために色々としたりと、家庭的な面はあった
(まぁ永続的に父担当にするのではなく、「母の代わりに」という時点で、現代であれば家庭的とは言えないか)
しかし、昔から家電に対しては否定的だった
特に「家事を楽にする系の家電」に対しては、頭ごなしに無駄と決めつけていたのを覚えている
変わってないな…と落胆した
昭和の価値観が立ちはだかった
そう、落胆した
いくら便利さを説いてもまるで理解しようとしない
というより、何故干さないアンタが買わない判断をするんだよ!と思った
だから父のいないところでもう一度は母に買うことを勧めた
でも母は「お父さんが買わないと言っているからね」と、購入する気はないと言ってきた
頭が真っ白になった
何故なんだ!?
何故欲しいと言わない!?
母の手は日々の家事で荒れている
母の時間が毎日数十分消費されている
そんな日々からおさらばできるんだぞ!
何故欲しいと言わないんだ!!
そんなことを、苦笑する母の顔を見ながら思った
この時の母の顔は、完全に「諦めた人」がする表情だった
思えば子ども時代の私のやりたいことを否定していたのも父だった
母は「夫がそういうから」と、ただ同意していただけだったのだ
一体いつまで昭和の価値観は邪魔をしてくるのかと、心底嫌気がさした
だから私は絶対に父に買わせてみせると決意した
家事をする方ではなく、家事をしない方が判断する歪さ
そもそも家事をしない方が、「家事を楽にするための家電」を買うかどうか判断するのがおかしい
父は料理や掃除はすることがあったけど、洗濯を代わりにやっているところは一度も見たことがなかった
家事をしない人に、家電購入について意見する権利なんてあるわけがない
にもかかわらず、家事をするのは基本的に母で、家電を買うかどうかの判断をするのは父
私の両親の夫婦関係はなんて歪な形なんだ
はっきり言っておかしい
家事をやる母が、買うかどうかの判断するのが当たり前
もし反対するなら、代わりに父がやるべきだ
というかどちらかがやるのではなく、やれる方がやると言う風に、夫婦二人で協力してやれば良いだろう
こういう家庭は世代関係なく、未だに多いのだろう
家電がいくら便利になっても、欲している人に届かないのなら、日々頑張っている開発者や研究者たちの努力が報われない
さっさと家事は夫婦でやるものという認識が社会の常識になって欲しいものだ
その後何ヶ月もかけて説得したが・・・
その後電話やメールで説得を続けたが、毎回変わらず「必要ない」の返答だった
端から理解する気がないのだ
説得するのは初めから無理だったのかと諦めかけていた
そんな状態で盆になり、今回の帰省で直接説得し今度こそ購入させようと決意した
と同時に、もしできなかったら諦めるしかないか…と、無力感が自分の中に広がっていた
許せなかった父の言葉
そんな中、事件は起きた
それが実家で母がつい口にした「毎日洗濯物を2階へ運ぶのが大変でね」という愚痴に対し、父が言った一言
「良い運動になるだろう?」
思わず殴ろうかと思った
いや、殴れば良かったか
自分の妻を何だと思っているのかと思った
そして母は、こんな時でも苦笑するだけだった
そんな母を見た瞬間、私は言い放っていた
ついに実家にドラム式洗濯乾燥機が導入された
「母さんが可哀想だからもう俺が買ってくるわ」と、気付いたら言っていた
そして言った瞬間、自分の頭の中を高速で巡ったのは
「いや、30万もするものをポンと買うのはさすがに難しいぞ」
という自分を責める言葉だった笑
実に情けないが、家計を守るものとして当然の思考だとも思う
だが、今更なかったことはできず、私にもプライドがあるため後に引けず、私はそのまま家電量販店へ行き、ドラム式洗濯乾燥機を購入した
その後実家に戻ったわけだが、この時の私の頭をまた別の言葉が高速で巡っていた
「30万もするものを勝手に買って、奥さんに怒られる…!」
である
(※俺が買うと言った時、奥さんと子ども達は別の部屋にいた)
とはいえ、もう後には引けないので、腹をくくって実家に戻った
そしてドラム式洗濯乾燥機を買ったことと、後日届くことを両親に伝えた
そしてそこで父から一言
「息子に払ってもらうわけにはいかない」
と、ここまで来て、ようやく導入に賛成したのだった
とはいえ、全額父が出すと、電気代の無駄と言い出し乾燥機能を使わせない可能性があったので、最終的に父が2/3の20万、私が1/3の10万を出すことになった
ちなみに、この後奥さんにはものすごく怒られたけど、同時によくやったと褒められもした
自分は良い人と結婚できたと改めて思った
使うとわかる便利さは人類共通
帰省から東京に戻って数日後、親から連絡があった
内容は母から感謝の言葉と父から一言
「あの洗濯機便利だな」と
そしてあれだけ反対していた父は、乾燥後のあったかフワフワの魔力にとり憑かれたらしく、今では父が毎日洗濯をしているらしい
あの頑固親父をも魅了する、ドラム式洗濯乾燥機の便利さは、きっと全人類をも魅了するだろう
ということで、ドラム式洗濯乾燥機を購入するかどうか迷っている方は、購入することをおススメする
ということで今回のまとめ
「ドラム式洗濯乾燥機の便利さは、全人類を魅了する」
では今回はこの辺で
それではー!
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