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2020年4月の記事一覧

聖水少女17



https://note.com/kawatunaka/n/n9c891cd58407

カクヨム

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894480403

 香織の部屋の前には昼食の皿類が盆に乗せられて出されていた。綺麗に食べられてはいるが、決して食欲があり喜んでいただいたわけではない。母の作った料理を残すのが忍びなかったため、無理由来胃に流し込んだの

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聖水少女16



https://note.com/kawatunaka/n/nd7ea7d7adbca

カクヨム

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894480403

 三人分用意した食卓に座るのは二人。香織の姿はない。
 「叱った方がいいんじゃないか」と父親は言ったが母親は賛同しかねるようで、「もうちょっと」と諭すように制した。

「天岩戸じゃないですけどね

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聖水少女15



https://note.com/kawatunaka/n/ne1b69338dad4

カクヨム

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894480403

 年頃の少女が衆人に囲まれた中で粗相をする場面を想像していただきたい。
 同じく年頃の男子が好気の目で舐めまわし、女子からは侮蔑と嘲笑の的にされる。無遠慮なる視姦を一身に受け、どれだけの人間が心に傷

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聖水少女14



https://note.com/kawatunaka/n/n2070e74fddea

カクヨム

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894480403

 午後からは比較的に落ち着いていた。
 授業中に数秒意識を失う事はあったが仔細はない。どうせ一日寝ていたのだから今更内容を把握していようがいよまいが違いはないのだ。 
 それよりも香織にとっては天花

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聖水少女13



https://note.com/kawatunaka/n/n9a680f37fbd9

カクヨム

 そんな彼女に対して天花は気にする様子もなく昼食を食べ始め、香織はそれをちらと見た。
 昭和然としたノスタルジー漂う銀色のアルマイト製弁当箱の中に敷き詰められた白米は艶があり瑞々しい。見るからにいい米を使っていて粒が大きく、気品もある。仕切り越しにあるおかず類はバランスがいい。黒々としたひじ

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聖水少女11

前に

https://note.com/kawatunaka/n/n52b9912aa4d4

カクヨム

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894480403

 飛び出してみたものの学校が終わったわけではないのだからどの道教室に戻らねばならない。悩んた挙句、香織は校舎内を彷徨う事にした。とはいえ慣れ親しんだ学舎に目ぼしい所などあるはずもなく暇を慰めるには

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