掃除の効能●日々の泡、●2021-11-25
木曜日。<思考は現実化する>という言葉が浮かんできて聴いたことあるなあと考えていたらナポレオン・ヒルの著作だった。一度読み始めたことがあるがあまりにも長くて途中で挫折した。また読んでみようかなと思って調べてみると、2017年に映画化されたこと、ダイジェスト版や解説本の類がたくさんあることを知り、まずダイジェスト版を読んでみた。
そこには<陰徳を積む>と思われることや、掃除の効能についても書いてあったので思い出したことがある。我が家は大家の敷地内にあり、大家の住まいを含めて三軒の二階建て一軒家が配置されている。敷地は角地にあり、大きな通りに大家の住まいが面している。角を曲がると路地で裏門があり、隣家、庭を奥まで行ったところに我が家がある。路地に面しているのは大家の住まいと隣家であるが、裏門は隣家との共用であるからして、大通りは大家に任せるにせよ、路地は私たちが掃除すべき場所である(と思う)。
というのは路地の向かいは時間貸しの駐車場である。30メートルほどは次の家に面していない。だから路地の側溝、舗装面を掃除するのは私たちがやるしかない。それに路地と側溝に散らばるのはほとんどが私たちの敷地内にある木々からの落ち葉や枝なのだ。時々、近所のお婆さんが直接は関係ないのに掃除していることがあり、私には心苦しいので時折落ち葉を払い、敷地に沿った舗装されていない土面の草むしりをしたりしていた。
よくわからないけども、そうだ、徹底的にやろうと9月11日の午前中に思い立って、路地を掃除し、また放置していた我が家の周りの雑草をすべてむしり、あまりにも残暑厳しい日で熱中症になりかけた。以後朝まだ暗いうちに路地の掃除をしている。三種類の箒を使い比べ、最も軽く掃きやすく音がしないものにたどり着いた。路地が綺麗になるのは気持ちいいがなんで俺ばっかりと最初は思っていたが、そのうち掃除するのが楽しくなってきた。週に一度だと30リットルのゴミ袋がいっぱいになってしまうから30分以上かかるが、週に三、四回こまめにやれば10分もかからないし落ち葉も少ない。
そのうちどの木からいつ落ちた葉であるかもわかってくる。そうなると木との闘いである。いちばん葉が落ちるのは路地の半分ぐらいまで幹がしなって電線にも接しているシダレヤナギ。こいつは幹も太く高く伸びているので葉も多い。もう一つは電線より遥か上まで成長し、大通りに鳥居のようにそびえる松。朝起きて洗濯物を干して路地を掃除して、海まで散歩して帰ってくると落ちているのはだいたいシダレヤナギの葉だ。
そうして掃除しているとまったく想像していないところから幸運がいくつも降って湧いてくる。風が吹けば桶屋が儲かる的に。何かを期待してやってることではなく、今となっては自分の楽しみのためにやっているに過ぎないのに。誠にありがたいことばかり。具体的には今は書かないけれど、信じるか信じないかはあなた次第。