【川端滝三郎商店】「ニッポンの手仕事を紡ぐ」生産者に出会って膨らんだ思い。
『川端滝三郎商店』は「くらすをたのしむ」ことをコンセプトに2016年、錦市場すぐそばに誕生したキッチンショップです。創業以来日用品と向き合い続けてきたカワタキがおススメする、日本の手仕事の品々が店頭に並んでいます。全国に買い付けにいくバイヤーに今の仕事に懸ける思いを聞きました。
売上データ分析からEC運営、バイヤー経験を積む
―――これまでの経歴を教えてください。
カワタキでは商品企画で商品が掲載されているチラシ紙面と売上実績から売れ筋動向を分析する業務に携わっていました。花形とは言えないかもしれませんが、この時の経験が商品知識を深めてくれました。その後、3度の育児休業を経て3度目の育休明けに配属されたのがEC事業部。
EC運営は未経験でしたが、複数のECモールへの初出店・サイト立ち上げから関われました。カワタキは商社なのでそれまで直接お客様に関わる経験があまりなかったのですが、お客様と直接接して、ご要望に真摯に対応した結果、レビューで良いコメントをもらえたときはうれしかったですね。未知の領域でもフィルターをかけずにチャレンジする度胸をこの時、身につけました。
とにかく毎日勉強、外部ECセミナーに参加して新しいことを吸収し、実践してみるの繰り返しです。その前の部署ではエクセルなどを使って作業効率アップを頭に叩きこんでいたので、EC業務でも役に立ちました。
そして2022年10月に川端滝三郎商店へ異動、責任者に任命されました。EC事業部の業務の幅も広かったですが、お店の責任者になってからは商品開発、商品調達、調達先との調整、店舗での販売、トップを交えた商品会議など、仕事の幅が広がるにつれ、視野が広がっていく実感があります。
それでも一つの事だけでなく、いろんなことをバランスよく経験できるこの仕事は性格に合っていたらしく、新しいことにどんどん挑戦できています。
日本全国のいいものをもっと紹介したい
————「川端滝三郎商店」オープンから4年後に店舗チームに入って、トップやデザイナー、前任者によって確立されてきたブランドのビジョンや背景を理解するのに時間はかかりませんでしたか。
配属後、すぐに商品を探しに生産者さんに会いに行ったのですが、生産地を回り、説明を聞くと理解できました。滝三郎商店が大事にしてきた「日本の手仕事、日本の生活文化を守る」というコンセプトがしっかり肚落ちした気がします。生産地に出向くと、インスピレーションをもらえるというか、「これはお店のあそこに置いたら素敵だろうな」というのがイメージとして浮かんできます。
現地に行って、生産者の話を聞いて、商品を実際に見ると、もっともっと生産地に出かけていかないとという気持ちになります。滝三郎というお店を通して、日本全国のいいものを紹介したい、生産者さんを応援したいという気持ちが強まります。
一方で社内にいるときはできるだけいろんな人と話すようにして、円滑に社内処理が進むように心がけています。新しい便利なツールが出てきたらすぐに試すことも大事ですね。
「一回やってみたらいいやん!」
EC事業部、滝三郎商店の責任者、とここ数年経験したことを通して、身をもって体感しているのは「やってみないとわからない」ということ。これまで何回もやってきてるから訓練されているはずだし、ダメだったときの修復方法はわかっています。だから周りにも躊躇している同僚がいたら「一回やってみたらいいやん!」と背中押しまくってます!
こうしてECサイトやリアル店舗の運営をやっていると、挑戦と改良のサイクル速度が上がっていくのですが、いろんなものをぽろぽろ取りこぼしていることもあります。そんなとき私がこぼした仕事を嫌な顔せずにフォローしてくれる同僚たちが好きです(笑)。そういう人たちの存在があるから私も動けます。悩んでる時は共感しつつも冷静なアドバイスをくれる仲間に支えられています。
コロナ禍には業績も落ち込いましたが、ここへきてようやく持ち直してきました。今年はまた一段と京都にお越しになる観光客の数もさらに増えています。今のうちに全国の展示会にいったり、生産者さんのところへとにかくいっぱい足を運んで話をして、知見を養う。今できることを進めます。
お店周辺、錦一番周辺のおススメスポットは?
錦市場の喧騒に少し疲れたら、近くの小川珈琲さんでお休みするのがおススメ。近くでゆっくりできる場所を知っていたら落ち着いて買い物できますよね。うちのお店も、そんなゆったりした気持ちで回ってもらえるようなお店を目指しています。