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マーケット概況 【相場概況】 値動きは荒いものの、政策が下支え

■ 1938年以来の週間上昇率を記録
世界的な景気後退懸念から財政政策と金融政策の総動員が続いている。米連邦準備制度理事会(FRB)は金利をゼロ近くまで引き下げ、米国債に限らず他の証券も無制限で買い入れ、資金供給している。議会は実質的に無料の資金を利用して、米国の国内総生産(GDP)の約9%に相当する2兆ドルの支出パッケージを通過させた。


こうした新たな財政政策と金融政策に加え、流動性の改善が一部の市場で見られたことが、先週火曜日から木曜日にかけての大幅な急騰の火付け役となった。ダウ工業株30種平均(NYダウ)はこの3日間で21%超の上昇と「安値から20%の上昇」したことから、定義上は、弱気相場入りして11営業日後に新たな強気相場の始まりが示されたことになる。


NYダウは、週末こそ9週間で8回目の下落を記録したが、前週末から12.8%高の2万1636ドル78セントで引けた。1週間の上昇率としては1938年以降で最も大きいものだった。S&P500指数は10.3%上昇して2,541.47、ナスダック総合指数は9.1%上昇して7502.38となった。小型株のラッセル2000指数は11.6%高の1131.99で週末を迎えた。


先週の動きは単なる弱気相場における一時的な反発と考えることもできる。1931年10月6日から10月8日にかけてわずか3日間でNYダウは大幅に上昇し、数字上は弱気相場から強気相場に転換したものの、その後再び弱気相場入りしたからだ。しかし、定義の問題はさておき、FRBと議会のおかげで株式市場の最悪局面は過ぎた可能性がある。既に景気後退に突入している可能性もあるが、新型コロナウイルスによる危機が1930年代のような複数年にわたる不況の引き金となる可能性は低いと考えられる。

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