大型株上昇の一方で小型株が下落 【マーケット】
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先週の主要株価指数は上昇した。S&P500指数は3.0%高の2874.56となり、3月の安値からは24.7%高の水準で引けた。ダウ工業株30種平均は2.2%高の2万4242ドル49セントとなり、安値からは30.4%上昇した。ナスダック総合指数は6.1%上昇して8650.14となり、安値からは26.1%の上昇となった。小型株のラッセル2000指数は1.4%安の1229.10で週末を迎えた。
これだけ見ると、新型コロナウイルスによる景気後退にもかかわらず市場の回復は順調かとも思われる。しかし各指数の動きをよく見ると、S&P500指数やダウ工業株など大型株が上昇した一方で、小型株のラッセル2000指数は下落しており、対称的な動きとなっている。S&P500指数とラッセル2000指数の週間パフォーマンスの違いがこれほど大きくなるのは3月13日以降で3回目だが、こうした事態が前回起きたのは2002年まで遡る必要がある。
先週の経済ニュースを勘案すれば、小型株の方が正しい反応だと考えるべきだろう。小売売上高は過去最大の落ち込みを記録し、ニューヨーク製造業景況感指数は過去最低水準まで低下した。鉱工業生産の下落は1946年以降で最も大きくなった。またJPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)などの銀行は、将来に備えて大量の貸倒引当金の積み増しを発表している。
RBCキャピタル・マーケッツのストラテジストであるロリ・カルバシナ氏は、ラッセル2000指数に採用されている企業の規模は小さいため、S&P500指数採用企業よりもはるかに景気動向に敏感であると説明する。小型株は概して、サプライ管理協会(ISM)の製造業景況感指数が低下する前に大型株に対してアンダーパフォームとなると指摘し、小型株のアンダーパフォームは景気悪化を示唆しているという。
S&P500指数の中でも、時価総額上位銘柄のパフォーマンスが下位銘柄を上回っており、小型株および今後の景気動向にも目が離せない。
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