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川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.15]2021年9月20日配信
2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!
1.マーケット振り返り(9月13日~9月17日)
<主要指数>
・NYダウ -0.1%
・S&P500指数 -0.6%
・ナスダック総合指数 -0.5%
=駆け足バージョン=
消費者物価指数が予想を下回って金融政策に対する不透明感は後退しました。一方、小売売上高が市場予想を上回ったものの、消費者信頼感指数は下回るなど、景気に対する慎重な見方が残り、投資家の慎重な姿勢が強く出た週となりました。
=ちょっとだけ詳しく=
5営業日連続で下落したことからNYダウが月曜日に小幅に反発して始まったものの、引き続き様子見気分の強い週となりました。前週に発表された卸売物価指数と対照的に8月の消費者物価指数が市場予想を下回って量的緩和策の縮小(テーパリング)の前倒し懸念は後退したものの、株価の上昇にはつながりませんでした。その他の経済指標では、小売売上高が前月比マイナスの市場予想に反してプラスとなった一方で、ミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回って低い水準にとどまるなど、まだら模様で、景気回復に対する投資家の信頼感は強めるまでには至りませんでした。景気敏感株も成長株も買い材料にとぼしく、個別銘柄中心の動きが続きました。
S&P500指数 過去1年間
2.今週のズバリ!
これだけは知っておいてほしい情報をお届けするコーナーです。
波乱なし
先週の金曜日は、個別銘柄のオプションと先物、および株価指数のオプションと先物が同時に清算日を「クァドルプルウィッチング」デーだったが、特に大きな波乱は見られなかった。以前は国際通貨基金(IMF)と世界銀行の総会がこの日前後に開かれていたため、金融政策面の思惑が重なって市場が大きく動くことがあった。しかし、最近はこの時期ではなく(今年は10月で、しかも一部バーチャル)、金融当局からの発信も様々な方法が巧みに組み合わされているため、サプライズは起こりにくくなっているようだ。
金融政策
さて、株式市場に割高感がある中で、9月の季節性を勘案すると、どうしても投資家は慎重姿勢になる。金融政策の方向性は大枠では「引き締め」であり、金融市場に波乱を起こさずに徐々に引き締める方法が焦点となっている。こうした状況では金融政策が株式市場の上昇トレンドを形成することはない。逆に引き締め方向へのサプライズがあれば10%程度の調整はありそうだ。
今週開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和策の縮小(テーパリング)が決定されることはないだろう。ただし、年内の実施に向けて外堀を埋めるような、声明文の変更やパウエル議長の質疑応答はあり得る。前回パウエル議長はテーパリングと利上げが別の事項であると市場に納得させることに成功したが、今回はテーパリングの量、期間、買い入れ対象などの具体策を通じて市場に安心感が広がれば、成功だろう。
増税
景気や企業業績に関する投資家の見通しに影響がある材料として、今後は議会の動きが注目される。インフラ法案の支出は株式市場の支援材料ではあるものの、その財源としての増税はマイナス要因であり、特に法人税の増税やキャピタルゲイン税の増税などの内容次第では株式市場に影響しそうだ。
先週ゴールドマン・サックスが、法人税が21%から25%に引き上げられ、海外収益に対する課税が現在提案されているものの半分程度になれば、約5%の減益要因になるとのレポートを発表した。市場はこの程度の増税は織り込んでいるように思われるが、これよりも大規模な増税になるとの見通しはマイナス要因となりそうだ。
気になるテクニカル指標
テクニカル面では、S&P500指数が50日移動平均線を下回った。今年の上昇相場では50日移動平均線に近づくとすぐに上昇に転じていた。今週以降、好材料が見当たらずに下回った状態が続くと、今度は上値抵抗線になるおそれもある。短期的な注目ポイントだ。
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