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マーケット概況 【相場概況】 パニックに陥った市場

■ 11年続いた強気相場の終了

市場のパニックとはこういうものだ。それでも、パニックになった現時点で不安に陥った投資家には、整理すべきことが幾つかある。つまり、「起きた事実」、「起きた理由」、そして最も重要な「次に行うべきこと」だが、専門家からは「慎重になりすぎるな」という助言も出ている。

まず、「起きた事実」を整理してみよう。新型コロナウイルスは世界保健機関(WHO)によってパンデミックと宣言された。生産量の大幅増加をサウジアラビアが発表したことを受けて原油価格は急落し、フォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)がコロナウイルスに感染した。要チェックのバスケットボールのスコアはなく、大リーグは今春の開幕を遅らせた。トランプ大統領は、水曜日に欧州への渡航禁止を発表した後、金曜日に国家非常事態を宣言した。

投資家にとっては厳しい週となった。ダウ工業株30種平均(NYダウ)は金曜日に1985ドル戻したにもかかわらず、10.4%下落して2万3185ドル62セントとなった。NYダウの週間下落率としては過去20位以内に入る。S&P500指数は8.8%安の2711.02、ナスダック総合指数は8.2%安の7874.88で引けた。小型株のラッセル2000指数は16.5%下落して1210.13で週末を迎えた。

こうした先週の株価指数の動きは後世に語り継がれるものとなりそうだが、この結果、米国の主要株価指数はすべて弱気相場入りとなり、11年間の強気市場は終了した。

一方、2020年の予想利益は下方修正が見込まれるが、下方修正によってその後の増益余地が大きくなったと考えることもできる。S&P500指数の2022年の予想利益に対する株価収益率(PER)は現時点で13倍を下回るが、2022年までには経済が正常に戻っているはずだ。個別の株価を見ると、2002年、2016年、2018年の安値付近にある銘柄も散見される。専門家は過度の様子見にならないようにと助言する。

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