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川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.10]2021年8月9日配信
2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!
1.マーケット振り返り(8月2日~8月6日)
<主要指数>
・NYダウ +0.8%
・S&P500指数 +0.9%
・ナスダック総合指数 +1.1%
=駆け足バージョン=
高値圏でのもみ合いの週だったが、好調な7月の雇用統計を受けてNYダウとS&P500指数が金曜日に史上最高値を更新した一方、長期金利の上昇を受けて、木曜日に史上最高値を付けたナスダック総合指数は、金曜日は下落した。
=ちょっとだけ詳しく=
企業の好業績が下支えとなったものの、様子見姿勢が強い中で始まった。火曜日に6月の製造業受注や耐久財受注が市場の予想を上回ると、景気回復期待からS&P500指数が史上最高値を更新したが、水曜日のADP雇用統計で労働市場の回復が遅れていることが示されると、景気敏感株を中心に売られた。長期金利の低下や個別銘柄の好業績を背景にナスダック総合指数とS&P500指数が木曜日に史上最高値を更新したあと、7月の雇用統計が強い内容だったことから景気敏感株が買われ、NYダウとS&P500指数が史上最高値を更新して週末を迎えた。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の複数の高官から利上げに前向きな発言と市場の予想を上回る雇用統計を受けて長期金利は上昇した。
S&P500指数過去1年間
2.今週のズバリ!
これだけは知っておいてほしい情報をお届けするコーナーです。
先週末に7月の雇用統計が発表され、目先の大きな材料は出尽くした。来週の業績発表予定を見ても全体に影響するような企業からの発表はない。金融機関が発行するレポートでも「夏休みの推薦図書」のようなコラムが載ったりして、夏休みムードが広がっている。
来週発表される経済指標では物価統計が一番の注目だ。水曜日発表の7月の消費者物価指数(CPI)の市場予想は前年比+5.3%(6月は同+5.4%)で、コア指数だと同+4.3%(6月は同+4.5%)。FRBは「現在のインフレは一時的」と言っているが、予想を大きく上回るようだと長期金利が上昇して成長株を中心に売られる。木曜日には生産者物価(PPI)も発表される。
株式市場は下値で買い物が入る状況で、インフレや新型コロナウイルスの変異株による景気回復の鈍化などは、大きな下押し材料とはならない。それでも、株式市場の割高感を懸念する投資家に、割高感を解消する算術がバロンズに載っていたので紹介したい。
割高感の解消には株価の下落か業績の伸びしかない。後者に関して、現在のS&P500指数の1株当たり利益(EPS)の予想は200ドル弱だ。しかし、第2四半期の決算発表の内容と経済予想から考えると年末までに220ドル程度まで上方修正される可能性がある。
記事では長期的な予想として、生産性の改善などから2025年にはEPSが300ドルに達するとのストラテジストの見方を紹介している。過去30年の平均株価収益率(PER)の20倍を適用するとS&P500指数が6000に達する計算だ。
現実の市場はEPSが300ドルになる前に好業績をより評価して早く上昇してしまうので、その過程では急落場面も想定される。しかし「結局は企業業績」ということであり、長期的に米国企業の業績が伸びるのであれば、心配はない。特に長期積立投資なら調整はたくさん買えるチャンスだから、割高感を心配する理由はない。
なお、次の週(8月16日~)の後半になると、ジャクソンホールでの経済シンポジウム(26日~28日)に向けた発言が出てきそうなので、その意味でも今週が最もゆっくりできる時期だろう。
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