(米国株式投資の掟)正しい投資情報の入手方法③
■書籍とマーケット
常日頃の私の米国株式至上主義的な姿勢に違和感を覚える人もいるかもしれない。どんな本を読んだら私のように米国株式に入れ込むことができるのかって?そこで、手許にある本を写真に撮ってみた。今までに皆さんに紹介してきた書籍も含まれているが、ご覧の通り、西洋および米国の歴史、宗教に関する本が多い。こうしたラインナップになる背景には「株式市場が資本主義の産物であること」、そして「その資本主義はキリスト教の元で生まれ育ったこと」がある。その背景を前提にするなら、やはり聖書や西洋史は必須なのだ。
■日本株経験を引きずってはいけない
日本の証券会社から米国に赴任する場合、普通は米国市場を日本株の経験で解釈しようとするものだ。従って、日本人の語る米国の先行き悲観論にも説得力を感じてしまう人が多い。私自身、1986年からのNY駐在では、初めはそんな感じだったかもしれない。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨークタイムズ、そしてテレビなどの現地メディアに接するうちに、少しずつ感じ方に変化が出てくる。
1989年に東西冷戦が終了した時に大流行したのが、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」だ。このあたりから米国株式を歴史的な視点でとらえることを意識し始めた。当時のダウ工業株30種平均(NYダウ)は2700ドルぐらいだったが、冷戦終了の平和の配当で、ダウはいずれ1万ドルに届くと言われていた。果たしてそんなことがあるのか?結果的には地政学的事象がマーケットの見方を劇的に変える好事例だったわけだが、当初はまだピンと来ていなかった。そしてそれが現実になるのは10年後の1999年3月29日だ。この日、NYダウは終値で初めて1万ドルを突破(10,006.78)している。
そして、インターネット革命後のバブル崩壊と金融危機だ。ここから米国の株主資本主義の純化に拍車がかかり、トランプ大統領の出現で現在その爛熟期を迎えているのではないだろうか?それとも次世代の「資本主義」へのスムーズな転換を成し遂げることができないまま衝突してしまうまでのカウントダウンなのか?その答えを求めて今日も現地メディアを中心に情報をあさっている。