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米国株式投資の真実を伝える 川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.20]2021年10月25日配信

2000万円達成ペースメーカー

図1

出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。

読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ

S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)

図2

正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう

川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。

さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!

1.マーケット振り返り(10月18日~10月22日)

<主要指数>
・NYダウ +1.1%
・S&P500指数 +1.6%
・ナスダック総合指数 +1.3%

=駆け足バージョン=
金利が上昇基調となる中、第3四半期の決算発表が注目されました。一部に急落する銘柄はあったものの、市場予想を上回る決算を好感して全体は上昇基調となり、S&P500指数は木曜日、NYダウは金曜日に史上最高値を付けました。

=ちょっとだけ詳しく=
先週は金利上昇よりも企業業績が注目されました。原油価格の上昇や前週の新規失業保険申請件数が1年7か月ぶりの低水準になったこと、および各国中央銀行関係者から金融政策の変更を示唆する発言が相次いだことから、長期金利は一時1.7%台と、3月末から4月に付けた高い水準に達しました。しかし投資家の注目は企業業績に集まり、市場予想を上回る決算が多かったことから業績に対する期待感が高まり、上昇基調となりました。好決算の発表が株価上昇につながる銘柄が多く、S&P500指数とNYダウは史上最高値を更新しました。そうした中、ソーシャル・メディア・サービスのスナップや半導体のインテルなど、決算が市場予想を下回った銘柄は急落しました。

図3

S&P500指数チャート 過去1年間

図4

2.今週のズバリ!

これだけは知っておいてほしい情報をお届けするコーナーです。

業績相場
先週は典型的な業績相場だった。投資家心理の底流には企業業績に対する信頼感があり、多くの企業が市場の予想を上回る好業績を発表して、市場はそれに応えた。9月に入ってから、サプライチェーンの問題や原材料価格の高騰、および人件費の上昇が懸念されて市場は調整気味になったが、企業業績に対する予想が抑えられたため、予想を超えることが容易になったようだ。

ネガティブサプライズも
もちろん「ネガティブサプライズ」を出した企業もあった。目を引いたのはソーシャルメディア企業のスナップ。携帯電話に示されたターゲティング広告に関する制限の影響で広告効果が薄れつつあるという。スナップ株は約25%急落したが、ネット上の広告収入に対する警戒信号であり、他の大手ソーシャルメディア関連株も急落した。

もう一つはインテル。利益は予想を上回ったが売上高は下回り、今後の見通しも予想を下回った。半導体業界は供給不足で「作れば売れる」はずだったのに売上高が予想を下回ったことで、インテルの戦略に疑問符が付いた形だが、他の半導体株には波及しなかった。

好業績は織り込み済みか
スナップやインテルなどは例外で好業績を織り込んでの上昇であり、10月は難しいと思われていたものの、S&P500指数は木曜日に史上最高値を更新した。決算発表は今週と来週でピークを迎えるが好業績は既に織り込まれたと見るべきで、よほどの好業績でないと株価は反応しないかもしれない。

目先は金利上昇に注意
一方、長期金利は徐々に上昇しており、一時4月以来となる1.7%台を付けた。日本以外の主要国からは金融引き締めに関するコメントが聞かれるようになっており、11月2、3日にはFOMCが予定されている。投資家が長期金利の上昇を懸念するようになれば、業績相場も一服しそうだ。長期金利の今年の最高値は3月末に付けた1.75%近辺なので、これが一つの目安となりそうだ。そのほかは、年初の0.9%水準の2倍となる1.8%や心理的節目の2.0%だろうか。

おまけ
話は変わるが、10月ということで今週号のバロンズに1929年の急落のことが出ていた。1929年の急落前の高値を回復したのは1954年だったという。25年かかったわけだが、日経平均の30年以上よりも短い。株式市場は本当に社会を映す鏡だと思った。

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