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米国株式投資の真実を伝える 川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.17]2021年10月4日配信
2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!
1.マーケット振り返り(9月27日~10月1日)
<主要指数>
・NYダウ -1.4%
・S&P500指数 -2.2%
・ナスダック総合指数 -3.2%
=駆け足バージョン=
四半期末を迎えた株式市場は、米国の債務上限問題や金融引き締めへの警戒感などによる長期金利の上昇が重しとなりました。金利上昇を受けて成長株が下落したほか、中国経済に対する懸念から景気敏感株も売られました。
=ちょっとだけ詳しく=
資本財受注が市場予想を上回って月曜日にNYダウが上昇したものの、週半ばは長期金利の上昇が株式市場の重しとなりました。金利上昇の背景は、前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて引き締め姿勢に対する警戒感が強まっていたところに、米国政府の債務上限問題が重なったことです。10月からの新会計年度の予算案が決まらずに政府機関が閉鎖されるとの懸念や中国の経済指標の悪化も下落要因となりました。金利上昇を受けてハイテク株が売られたため、主要3指数の中でナスダック総合指数の下落率が最も大きくなったほか、S&P500指数は週間ベースで2月下旬に次ぐ下落率となりました。四半期末後の金曜日は堅調な経済指標の発表を受けて反発しました。
S&P500指数チャート 過去1年間
2.今週のズバリ!
これだけは知っておいてほしい情報をお届けするコーナーです。
久しぶりの大幅下落
先週、S&P500指数は2.2%の下落だった。2月26日に終了した週の2.4%に次ぐ久しぶりの大きな下げだった。直接的には長期金利が6月中旬以来の1.5%台に上昇したことが理由だ。しかし、長期金利上用の要因についての解説には注意が必要だ。
米国のデフォルトはない
最もリスクを強調したように感じられたのは、米国政府がデフォルト(債務不履行)に陥るというものだ。米国政府の債務上限は法律で決められており、財政赤字が続く以上、債務の元利払いのためには上限を引き上げなければならない。引き上げられるのは政府ではなく議会だ。現行の債務上限は一時的に停止されていたが、8月に復活して債務はほぼ上限に達しており、財務省が政府各部門内でのやり繰りで資金繰りをしている状況だ。
それでもイエレン財務長官は10月18日には策が尽きて米国がデフォルトに陥ると警告した。これが金利上昇を招いていると解釈できるような記事が目に付くが、短絡的だろう。これまで何度も債務上限問題がぎりぎりまで解決しないことはあったが、万が一米国債がデフォルトになったときの影響を考えて、結果的には上限が引き上げられた。今回もそうなるはずだ。
株価の下落に関しては、長期金利の上昇以外にも、政府機関の閉鎖懸念や景気減速を理由にする解説もあった。政府機関の閉鎖懸念も恒例行事のようなもので、つなぎ予算が通ったため、少なくともつなぎ予算の期限の12月上旬までは問題ない。景気減速懸念は一部の経済指標や中国の景気減速を根拠としており、完全に否定はしないものの、影響があっても一部にとどまりそうなものだ。
債務上限問題で下がれば買い場
結局、先週の株式市場と債券市場の調整は「期末要因」ということだと思う。好調だった四半期を終えるにあたって利食いが先行し、買いが手控えられる地合いの中で、上記の要因が重なっただけだと考えている。実際、四半期末を通過した金曜日に主要指数は反発し、長期金利は低下した。
とは言うものの、現時点で債務上限は引き上げられておらず、18日ぎりぎりまで引き上げられない可能性はある。その場合は金利の上昇と株価の下落となるが、これは買い場となるはずだ。18日は再来週の月曜日だから、来週後半にそういう時期が来るかもしれない。もちろん、短期勝負の話であり長期投資家は淡々と積み立てればよいだけだ。
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