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川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.14]2021年9月13日配信
2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!
1.マーケット振り返り(9月6日~9月10日)
<主要指数>
・NYダウ -2.2%
・S&P500指数 -1.7%
・ナスダック総合指数 -1.6%
=駆け足バージョン=
全体的に様子見気分の強い週で、景気回復に対する懸念が強く、NYダウとS&P500指数は前週金曜日から5日連続で下落しました。週末発表の生産者物価指数の伸びが市場の予想を上回って金利が上昇したことも警戒感につながりました。
=ちょっとだけ詳しく=
レイバーデーで4日間だった株式市場では、新型コロナウイルスの感染再拡大などによる景気回復懸念が重しとなりました。新規失業保険申請件数の低下はあったものの、地区連銀経済報告で、景気回復が7月初旬から8月にかけて緩やかなペースにやや減速したとの認識が示されたことなどが嫌気されました。一方、FRB高官から年内の債券買い入れ枠の縮小(テーパリング)を支持する発言があったほか、生産者物価指数が比較可能な2010年11月以降で最大の上昇率となったこと、欧州中央銀行が債券買い入れ枠の縮小を決定したことなどから金利が上昇しました。景気と金利の両面で好材料が見当たらず、小幅な下落が続いた結果、NYダウは7月中旬の水準に下落しました。
2.今週のズバリ!
これだけは知っておいてほしい情報をお届けするコーナーです。
軟調相場
夏休み期間中に高値圏で推移していた株式市場は、先週ずっと軟調だった。マクロ経済環境、金融政策、株価バリュエーションなど、どの観点からも積極的に買いを入れる理由にとぼしく、ナスダック総合指数だけが休み明けの火曜日に史上最高値を更新したが、夏休み中に上昇した分をポケットに入れた感じだ。
慎重な見通し
こうした状況に加えて、季節的に弱い期間に入ることもあり、銀行や証券会社から慎重な見通しの発表が相次いでいる。
バンク・オブ・アメリカは自社のモデルのシグナルとして、今後10年間のS&P500指数の年間平均リターンがマイナスになった(ITバブル以降で初めて)と警戒し、モルガン・スタンレーは早期の金融緩和縮小や新型コロナウイルス感染拡大などを警戒して株式のウエートを引き下げた。
シティは公的部門と民間部門の信用創造の流れがマイナスになりつつあることを最大の懸念材料に挙げた。ゴールドマン・サックスは第3四半期のGDP成長率の予想を大幅に引き下げたほか、ネガティブサプライズに対する緩衝材がない状態だと指摘した。クレディ・スイスも割高なバリュエーションと規制懸念から若干のアンダーウエートを継続した。
それでも買い持ちがベスト
これらのコメントはもっともだが、いずれも株式市場や経済・金融環境から指摘される内容だ。日柄的にある程度の調整はあってもおかしくないと思うが、上記の理由による調整はせいぜい10%程度だろう。これは天井と底を事後的に測った場合の数値だから、現実のトレードでうまく波乗りができても7%程度が上限ではないか。長期の資産形成を目指すのであれば、その程度を気にせずに肝を据えて買い持ちを続けるべきだろう。売った後に買いそびれるリスクのほうが大きいと考えている。
市場外部のリスク要因
10%を超える調整があるなら、市場の外部からの要因だろう。考えられるものとしては、債務上限や予算案を巡る政治面の混乱、欧州の金融緩和解除の勇み足(先週の動きは想定内)、中国の不動産企業などの米国外の債務問題、デルタ株を上回る感染力の新型コロナウイルスの蔓延、地政学的リスク、そしてそれらの同時発生によるパニックだ。
いずれにせよ買い材料にとぼしい展開が続きそうだ。値幅でなく日柄で調整して、企業の決算発表に投資家の注目が集まる10月下旬につながる展開がベストシナリオかもしれない。
S&P500指数過去1年間チャート
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