マーケット概況 【相場概況】 乱高下が続く
■ 週間ベースで反発したが、乱高下が続く
先週は、コロナウイル懸念が蔓延する中、急騰と急落を繰り返した。米連邦準備制度理事会(FRB)は米国経済の先行きを懸念して政策金利を0.5%ポイント引き下げたが、これを受けた市場はかえって混乱。10年国債利回りは、週末には過去最低となる0.709%まで低下した。
主要株価指数は週間ベースではなんとかプラス圏で引けた。ダウ工業株30種平均は1.8%高の2万5864ドル78セント、S&P500指数は0.6%高の2972.37となった。ナスダック総合指数はわずかに0.1%上昇して8575.62で引けた。小型株のラッセル2000指数は1.8%下落して1449.22で週末を迎えた。乱高下の様子を時系列で追うと下記のようになる(S&P500指数)。
月曜日 → 前週の急落を受けた反発により4.6%上昇。
火曜日 → FRBによる予想外の利下げがあったものの2.8%の下落。
水曜日 → バイデン前副大統領が民主党予備選のスーパーチューズデーで強さを見せたことが好感されて4.2%上昇。
木曜日 → コロナウイルスに対する懸念が市場に広がり3.4%の下落。
金曜日 → 木曜日と同様の動きになりそうになり、一時4%程度下落したものの、景気刺激策について触れた地区連銀総裁の発言を受け1.7%安まで戻す。
一方、経済のファンダメンタルズはどうか。先週発表された経済指標は、その前の週に発表された指標とは打って変わって好調を伺わせるものだった。2月のサプライ管理協会(ISM)サービス業景況指数は過去1年で最高の57.3となり、金曜日発表された2月の雇用統計では非農業部門就業者数が、予想外の27万3000人増加となった。ただしいずれの指標も、コロナウイルス懸念が拡大してからの状況が反映されていないことに注意する必要があり、今後の指標が注目される。
先週は、1日もしくは日中の株価変化率が4%以上を記録する日が複数あったが、4%以上というのは過去10年間でみても変化率上位にランクされるものだ。当面は不安定な展開が続くかと思われる。
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