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米国株式投資の真実を伝える 川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.18]2021年10月11日配信
2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!
1.マーケット振り返り(10月4日~10月8日)
<主要指数>
・NYダウ +1.2%
・S&P500指数 +0.8%
・ナスダック総合指数 +0.1%
=駆け足バージョン=
債務上限問題やインフレ懸念から長期金利が上昇したことを受けて下落しましたが、債務上限が引き上げられてデフォルト懸念が後退したため、反発しました。雇用統計は市場予想を下回ったものの、影響は限定的でした。
=ちょっとだけ詳しく=
前週からの債務上限問題が続き、原油価格の上昇なども懸念されて長期金利が上昇したことから、下落で始まりました。その後、景況感の改善をきっかけに景気敏感株が物色されて下落に一巡感が出た時点で債務上限の引き上げが議会で合意されたと報道され、投資家心理が改善しました。インフレ懸念や金融引き締め観測を背景に長期金利が上昇して6月上旬以来の1.6%台に上昇したことから成長株は値が重かったものの、金融やエネルギーなどの景気敏感株が買われて市場全体は反発しました。金曜日に発表された9月の雇用統計では非農業部門就業者数が前月比19万4000人の増加と市場予想の50万人を下回りましたが、株式市場に対する影響は限定的でした。
S&P500指数チャート 過去1年間
2.今週のズバリ!
これだけは知っておいてほしい情報をお届けするコーナーです。
反発したが・・・
9月末における懸念材料はとりあえず織り込まれたか、先延ばしされた。それを受けて株式市場は反発したが、NYダウは過去6週間で2回目の上昇だったし、ナスダック総合指数の上昇はわずかだから、大きなものではなかった。実体経済は強く見通しも悪くないため(あくまでスピード調整)、この程度の反発は当然だろう。週末の雇用統計には驚かされたが、失業率が大きく低下しており、非農業部門就業者数で行われた「季節調整」がうまく働かなかったとの解釈が妥当なのだろう。市場の反応もそれに沿ったものになった。
長期金利
米国の債務上限問題は12月上旬まで6週間先延ばしされたが、長期金利の上昇は止まっていない。FRBの姿勢に加えて、インフレ懸念と景気の強さを織り込む展開だからだ。長期金利は1.6%と6月3日以来の1.6%台乗せとなった。今年の最高は3月末の1.74%なので、景気の強さを織り込む金利上昇であれば、この水準までは株式市場にとって容認できるだろう。なお、インフレに関しては今週発表される消費者物価指数と生産者物価指数が注目される。
業績発表
今日、10月11日はコロンブスデーで米国の債券市場は休み。株式市場は営業日だが、水曜日以降に第3四半期(7-9月期)の決算発表が本格化する。いつものように銀行株から始まり、企業や個人に対する貸し出し動向などからマクロ経済の経済実体における状況が投資家にもたらされる。また、運輸関連企業からは物流や旅行の現状、製造業からは原材料や労務費などのコストの増加が利益率に与える影響が分かる。各銘柄の株価にとっては1株当たり利益(EPS)と市場予想との比較が重視されるが、市場全体を考える上では、こうしたマクロ経済から受けた影響を読むことが大切だ(現実には、証券会社のストラテジストが分析した結果を読むことになるが)。
10月の下落記録
10月は9月に続いて市場が大きく動くことが多い月だ。1928年以降で1日の株価下落率が7.5%以上になった日は25回あるが、そのうちの8回が10月だ(下表参照)。目先は9月の懸念材料が大きく再燃することは考えられず、企業業績やマクロ経済指標でこれだけ大きな下落の要因は見当たらないから、あるとすれば地政学的要因か自然災害だろう。
■S&P500指数 90年間チャート
3.今週のピックアップ記事
資産形成に役立つ情報を、私が得た情報の中から気になるものをセレクトしランキング、極々私的な見解でコメントするコーナーです。
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