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[Vol.19]2021年10月18日配信|川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」
2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!
1.マーケット振り返り(10月11日~10月15日)
<主要指数>
・NYダウ +1.6%
・S&P500指数 +1.8%
・ナスダック総合指数 +2.2%
=駆け足バージョン=
週前半は様子見姿勢が強く軟調でしたが、消費者物価指数や生産者物価指数が落ち着いていたことなどから長期金利が低下したことに加え、水曜日以降の主要企業による決算発表が好調だったことから大幅高となりました。
=ちょっとだけ詳しく=
債券市場が月曜日に休場だったことに加え、物価統計の発表や業績発表の本格化を前にして、週前半は様子見姿勢が強く軟調でした。しかし9月の消費者物価指数と生産者物価指数がともに落ち着いており、インフレ懸念は後退しました。また、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公開を受けて金融政策に対する不透明感も和らぎ、これらを受けて長期金利が低下して株式市場の下支えとなりました。主要銀行株から始まった決算発表では市場の予想を上回るものが多く、見通しに関して投資家の懸念が高まることもなく、全般に好調でした。金曜日に発表された9月の小売売上高は前月比減少の市場予想に対してプラスとなったことも投資家心理にプラスに働きました。
S&P500指数チャート 過去1年間
2.今週のズバリ!
これだけは知っておいてほしい情報をお届けするコーナーです。
久しぶりの大幅上昇
先週は週後半に上昇してS&P500指数の上昇率は1.8%となり、7月23日に終了した週以来の大幅上昇だった。金曜日には50日移動平均線を上回った。改めて見ると9月2日に付けた史上最高値まであと1.4%の水準にある。その時の長期金利は1.2%台だったから、1.5%の現時点まで戻ったのは企業業績に対する期待だろう。
業績発表はこれまで好調
その業績発表は先週の水曜日から本格化した。いつも通りに最初のセクターは大手銀行で、景気回復を受けて好調な決算だった。増益要因の中で特徴的だったのは「貸倒引当金の戻し入れ」が大きな比率を占めていたことだ。貸出金に対して見込んでいた一定比率の損失が必要なかったということであり、各行でそういう状況だったということは、マクロ経済的に見て好景気が裏付けられたことになる。リフィニティブIBESによると、S&P500指数の第3四半期の利益は前年同期比で32%の増加が現時点で見込まれている。最終的に40%台になれば同指数の史上最高値の着地もあり得る。
米国専門家の見方
さて、今週号の「バロンズ」では、半年に一度、米国の運用担当者に対するアンケートをまとめた「ビッグマネー調査」が特集されていた。詳細は本誌(英語)か「バロンズ拾い読み」(日本語)を参照してほしいが、運用担当者の懸念材料としては金融政策、財政政策が大きなもので、インフレ、債券利回りの上昇、増税、景気鈍化なども挙げられていた。新型コロナウイルス感染再拡大への懸念は小さく、米国債のデフォルトや中国不動産企業の問題への言及は記事にはなかった。日本のメディアでは、こうした懸念材料を重要度に関わりなく同列に並べて書いてある記事をよく見かけるが、重要度を勘案しながら記事を読んでほしい。
発表予定
今週の注目発表は、マクロ経済関連では月曜日の鉱工業生産、水曜日の地区連銀経済報告(ベージュブック)、金曜日のIHSマークイットの購買担当者景況感指数(PMI)速報値だ。ベージュブックは11月のFOMCでの議論のたたき台で、金曜日のPMIは10月の指標としては最も早い。業績発表では、火曜日のネットフリックス(ストリーム配信)、水曜日のASML(半導体製造装置)、テスラ(自動車)、木曜日のインテル(半導体)が投資家心理に対する影響の観点から注目される。
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