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米国株式投資の真実を伝える 川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.37]2022年3月7日配信
オンラインサロン「夢がかなう資産形成塾」
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2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!
1.マーケット振り返り(2月28日~3月4日)
<主要指数>
・NYダウ -1.3%
・S&P500指数 -1.3%
・ナスダック総合指数 -2.8%
=駆け足バージョン=
ウクライナ情勢を織り込む展開の中、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言で急激な金融引き締めが示唆されなかったことで安心感が広がりましたが、ウクライナ情勢が再度懸念され、週末にかけて下落しました。
=ちょっとだけ詳しく=
前週末からロシアに対する制裁が発表され、原油をはじめとするコモディティー価格の上昇などが世界経済や金融に与える影響が懸念されました。
一方、FRBのパウエル議長の議会証言は3月の0.25%の利上げを支持する内容で、金融引き締めに対する過度の警戒感が和らいで株式市場の下支えとなりました。
新規失業保険申請件数などが雇用市場の順調な回復を示し、金曜日に発表された2月の雇用統計では、雇用者数が市場予想よりも増加する一方、賃金の伸びが抑えられていることが示されました。
市場で好感される内容でしたが、ウクライナ情勢が再度懸念されて様子見姿勢が強まったことから、成長株に加えて景気敏感株や金融株などが幅広く売られました。
2.今週のピックアップ記事
【1】日経新聞 プーチン氏、世界から孤立 米大統領一般教書演説 ロシア機の領空飛行禁止/国産購入で雇用下支え 3/2
▼一般教書演説
大統領が憲法の規定に基づき、連邦議会に今後1年間の内政・外交全般にわたる施政方針を表明する演説。予算教書、大統領経済報告と並んで「三大教書」と位置づけられている。大統領就任1年目は「施政方針演説」と呼ばれる。今回はバイデン大統領初めての一般教書演説となる。
演説のポイント
*ウクライナ侵攻はいわれなき不当な戦争
*プーチンはかつてなく世界から孤立
*プーチンは自由主義諸国の決意を弱体化できない
*米国はNATOの隅から隅まで防衛する
*米国を作り変えて中国との経済競争に勝利する
*米国再生へ税金を使う時でバイ・アメリカンを実行
*外国の供給網に頼らず米国で生産しよう
①演説の原稿(英語)は以下で入手できる
Remarks of President Joe Biden – State of the Union Address As Prepared for Delivery | The White House
②一般教書演説日本語全文
「独裁者に侵攻の代償」 対ロシア、民主主義結束訴え
*自由は常に専制に勝つ
*赤字1兆ドル以上削減
*選挙権への攻撃許さず
③動画
President Joe Biden's State of the Union Address
【川田コメント】
バイデン大統領の演説を是非見て聞いてほしい。現地1日(火)午後9時(東部時間)で日本時間では水曜日午前11時ごろからだった。
演説の中身についてはメディアは必ず批判的な立場を取る。しかし政策的な立場はさておき、米国大統領の演説にはいつも感心する。演説の前から会場の雰囲気は盛り上がり、関係者と握手してハグだ。そして国民に語りかけ対話する姿勢が民主主義の原点に立ち返らせる。その一連の様を見るのが興味深い。
政治家は言葉が命
79歳の大統領がよどみなくボキャブラリーを繰り出せるのは驚異的だ。いくらプロンプターに原稿が映し出されているといってもできるものではない。自分の朝会動画やテレビ出演を見直してつくづくそう思う。
バイデン大統領は政治家として極めて長いキャリア(1970年〜)を有するが、それでも事前に相当に読み込まないとあの場であのパフォーマンスは出来ないはずだ。ただし、個人的にはマーケットの事が気になるので不測の事態がなく無事に演説が終了することだけを願っている。
歴代大統領は演説がとびぬけて上手
バイデン大統領の演説が歴代のあの大統領と比べて上手いとか下手だとか言いたげな批評家もいよう。ただし、その蘊蓄(うんちく)を披瀝するのが日本人なら全く無視していい。バイデン氏に限らずオバマ氏の就任演説やトランプ大統領の手振り、身振りを交えての演説など、どの大統領も強烈なインパクトを私に与える。
【2】日経新聞 対強権主義、ウクライナ危機は「歴史の新局面」
ウクライナ危機を聞く 米政治学者 フランシス・フクヤマ氏 3/1
(冷戦終結を先取りした「歴史の終わり」の後に続いた)民主主義の拡大の時代は明らかに終わった。強権国家の台頭が続いている?
いまは明らかに異なる歴史の局面にいる。
「歴史の終わり」で問いかけたのは、自由な民主主義を上回る政府のモデルがあるかどうかだった。いまも答えはノーだと思う。だが、現代の我々は民主主義の後退と弱体化に対抗しなければならない。
これは第2次冷戦?
ロシアは旧ソ連のような強国では全くない。現体制はルサンチマン(敵意)と超大国時代の郷愁で動く。ただし50年続いた冷戦のようにはならない。長期では中国こそ最大の脅威だ。
ウクライナ侵攻は中国の台湾侵攻の誘因になるのか
この戦争の長期的な結末次第。ロシアが反撃を受けて多くの死者を出し、制裁で痛手を負えば、台湾問題では注意深く動くよう、中国に促すことになる。
再び兵力の強化を
NATOは2014年まで戦闘目的の組織とは真剣に考慮されていなかった。ロシアの脅威に対して共同訓練や兵力の駐留を強化する必要があるし、東アジアでも兵力強化が欠かせない。中国の軍事力拡大はあまりに急激だ。
民主主義は強権主義を抑え込めると思う。冷戦下でも意見の不一致や弱点を抱えながら、西側同盟は結束して2世代にわたり持ちこたえた。今できないことはない。
Francis Fukuyama
米シカゴ生まれ、日系3世の政治学者。1989年の論文「歴史の終わり」で共産主義の退潮と民主主義の勝利を説き、注目を集めた。米国務省、シンクタンクの勤務を経て、現在は米スタンフォード大シニアフェロー。69歳。
【川田コメント】
折に触れフランシス・フクヤマの「歴史の終わり」に言及している。原著の発行は1992年だが1989年の東西冷戦終了の持つ意味を、日本人を含め世界中の人に分かるように説明してくれたのが本書だ。上下2冊で大部なので一気に通読できないかもしれない。その場合は、この本の評論や要約をこまめに少しずつ読み込んでいくことで攻略できればいいのではないか?
【歴史の終わりとは】フランシス・フクヤマの議論をわかりやすく解説
【3】ニューズウィーク日本版 Newsweek Mar8「プーチンがウクライナの次に狙う標的」総力特集:ウクライナ戦争
気の毒なウクライナ
プーチンや多くのロシア人は、ロシア人とウクライナ人を同一の民族と見なしている。ロシア人は「大ロシア人」、ウクライナ人は「小ロシア人」、ベラルーシは「白ロシア人」だ。
ウクライナは全体主義国家ロシアの傀儡政権に戻るか、ロシアが支配する東半分と政治的に中立の西半分に分割される可能性が高い。
ウクライナの人々は40年前のアフガニスタンのように武装闘争を続け、最終的にはロシアを打ち負かすと主張する。だが、欧州の心臓部でゲリラ戦を展開するのは現実的ではなく、人的被害も膨大なものになる。
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