バロンズ・ダイジェスト2020年4月5日号
エグゼトラストが翻訳を行っているバロンズ・ダイジェストWEEKLYマガジンの読みどころをご紹介します。米国の投資情報週刊誌Barron’sから、日本の投資家の皆様にも有益な記事をピックアップして、日本語でお読みいただけます。一部無料でご覧いただける記事もありますので、是非一度アクセスください。
今週のバロンズは四半期に一度のファンド特集だった。しかし、全ての投資家の関心はもちろん新型コロナウイルスだろう。そして今まさにこの危機がNYをはじめ全米で猛威を振るっている。投信の成績やこの局面で健闘しているファンドの紹介記事もあったが「バロンズ・ダイジェスト」では選択記事を絞った。この状況ではファンド成績よりも投資環境の現状把握とこの後の銘柄選択に役立つ記事を選んだつもりだ。
1.ニューヨークのウイルスとの戦いが米国全体の先行きを暗示
3.ニューヨーク市経済は危機のるつぼに
1.「カバーストーリー」と3.「フィーチャー」は、全米の感染の震源地となったNY市の現状をリアルに伝えている。1.「カバーストーリー」ではNY市の勤労者の雇用状況をフォトスタジオ運営やレストラン経営者の具体例で紹介している。3.「フィーチャー」のタイトルは「ニューヨーク市経済は危機のるつぼ」だ。NY市の予算規模は他のほとんどの州を上回っている。その巨大都市が財政的に極めて困難な状況に直面する。ところでNY市の所得税の多くを富裕層、それも彼らのキャピタルゲインに依存している。そんな中でゴールドマン・サックス、アルファベット、フェイスブック、アマゾン・コムなどの巨大企業が今後もNYにおけるプレゼンス(存在)を維持する気があるのか?この危機と株価下落は市の財政基盤に影響を与える可能性がある。
2. グーグルもフェイスブックも広告業界を救えない
2. 「フィーチャー」は、今回の危機が広告業界にもたらす壊滅的な影響を取り上げている。現状ではそもそも広告を出す意味がない。旅行しないし外出ができても映画も見ないからだ。その場合フェイスブック、アルファベット、そしてツイッターが影響を受ける。さらに放送局やケーブルTVは三重苦だ、つまりは広告費が枯渇し、サブスクリプション・サービスの視聴者が急増するのでケーブル離れ、そして人気のスポーツ番組もない。その中で大手メディアを持つテーブルTVのコムキャスト、通信大手のAT&T、ウォルト・ディズニーは比較的持ちこたえている。あと新聞各社の株価も随分下がっている。NYタイムズやニューズコープがそれだ。
5. 苦戦している債券ファンドの現状を分析
5.「債券」はは特集企画、ファンド・クオータリーの目玉記事の1つだ。長期米国債ファンドは年初来で平均20%上昇。2019年も14%のリターンがあった。ただし課税債券ファンド19のカテゴリーのうち、4種類(つまり短・中・長期米国債と中期コア債券)以外では年初来で下落している。とりわけリスクの高い、ハイイールド債と新興国債券のファンドは第1四半期に大きく売られた。社債の信用スプレッド(社債と同等の米国債の利回りの差)が過去20年間で金融危機に次ぐ2番目の水準まで拡大したためだ。記事はこの投資環境で債券投資をどう考えるのかの示唆を与えてくれる。
6. リモートワークがハイテク株に与える影響
6.「ハイテク」は、今回の危機で働き方や行動様式が劇的に変化したことを取り上げている。在宅勤務が増えたり巣ごもり状態になったりでデータ通信量が激増しているが、そうした環境変化で関連銘柄はどのような影響を受けるのか?現状では米国のネットワークは大きな障害を起こしてはいないという。またクラウド銘柄の業績に変化が起きるのは第2四半期から。そして年後半には大手企業による買収の波が起こると予想する。被買収企業の候補企業が多く紹介されている。例えば企業向けクラウドプラットフォームのサービスナウ、企業向けソフトウエアのアトラシアン、ビジネス・チャットのスラックなどだが、皆さんのお持ちの銘柄があるだろか?銘柄は本誌で確認してほしい。
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