MAX3421Eで USB Host ボードを作ってみました!
1.はじめに
みなさん、こんにちは!11月も終わりに差し掛かり、ハロウィンの楽しみも終わりましたね。次はクリスマスと年末のイベントが待っていますね!
さて、今回のnoteでは、USBホスト/デバイスコントローラ「MAX3421E」を用いた開発ボードのプロジェクトについてお話ししたいと思います。
(13600文字、回路図が付いています。値段設定:600円)
このプロジェクトを始める動機は、二つありました。ひとつはMAX3421Eの優れた制御機能に魅力を感じ、様々なUSBデバイスをマイクロコントローラと繋いで使えないかを実験したいからです。もうひとつは、実はこの前のESP32リモートコントローラーのプロジェクトでMAX3421Eも組み込んだけど、いろいろうまく行かず、その部分だけを切り出して実験したかったからです。
(ESP32リモートコントローラーの動画は下です。)
目的
今回の目的は、以下の点を達成することです。
USB通信の基礎理解の構築: MAX3421Eを使用してUSB通信の基本原理を理解し、その背後にある仕組みを学びたいと思います。
実践的な活用方法の発見: 開発ボードを構築し、ArduinoやESP32などのマイクロコントローラと統合テストを行いながら、MAX3421Eを実践的に活用する方法を探ってみます。
USB通信の応用範囲の理解: プロジェクトの進行により、USB通信の応用範囲を広げ、様々なデバイスとの連携や制御を実現する方法を試します。
これらの目標を達成すれば、USB通信に関する理解を深め、よりよい活用のアイディアが浮かぶるのではと期待しています。
MAX3421Eの基本紹介
MAX3421EはMaxim Integratedが製造したUSBホスト/デバイスコントローラで、USB 2.0規格に対応しています。SPIを介して制御され、USBホスト機能とデバイス機能を統合しています。
その柔軟性と信頼性から、組み込みシステムやホビイストの間で幅広く利用されています。私もM5StackのUSBHostモジュールを使ってこのチップに触れ、その機能に興味を持ちました。
こうして、自分でも試してみたくなりました。開発ボードを作る際には、M5StackのUSBHostモジュールの回路図とMAX3421Eのデータシートを参考にしました。
2.MAX3421Eの概要
MAX3421Eの機能と特徴
MAX3421Eは、USB通信を効果的に制御するための多機能なICです。主な機能と特徴について以下にまとめました。
USB 2.0対応: MAX3421EはUSB 2.0規格に対応しており、高速なデータ転送が可能です。
ホストとデバイス機能: このICは、USBホストとデバイスの双方の機能を統合しています。これにより、他のUSBデバイスと通信するだけでなく、自身をUSBデバイスとして振る舞うこともできます。
SPIインターフェース: MAX3421EはSPI(Serial Peripheral Interface)を介して制御されます。このインターフェースは、シンプルかつ効率的な通信を実現します。電子工作をよくしている人は、何回か使っているかと思います。
内部フィフォ(FIFO)バッファ: フィフォバッファは、データ転送の効率を向上させ、外部コントローラとのデータのやり取りをスムーズにします。
使用事例と応用分野
MAX3421Eは幅広い使用事例と応用分野で利用されています。
組み込みシステム: 組み込み開発者は、MAX3421Eを使用してUSB通信を制御し、様々なデバイスとのインタラクションを実現しています。例えば、センサー、アクチュエータ、およびディスプレイとの接続が挙げられます。
ホビープロジェクト: 電子工作愛好家やメイカーは、MAX3421Eを使って独自のUSBデバイスを作成したり、既存のデバイスを制御したりしています。
産業用途: 工業環境でのデータロギングや通信においても、MAX3421Eは信頼性の高い解決策として注目されています。
注意点と制約
MAX3421Eを使用する際には、いくつかの注意点と制約があります。
電源の適切な供給: MAX3421Eは安定した電源を必要とします。適切な電圧と電流が確保されていることを確認してください。
外部コンポーネントの適切な設計: 必要な外部コンポーネントを正確に接続することが、MAX3421Eの安定動作のために重要です。
ドキュメンテーションの参照: MAX3421Eのデータシートやマニュアルを確認し、正確な設定と接続を行うことが重要です。
これらの点を押さえながら、MAX3421Eは高度なUSB通信制御を実現する優れた選択肢です。
3.開発ボードの構築
必要な部品とツール
開発ボードを構築するには、以下の部品とツールが必要です。
MAX3421E: 開発ボードの主要な制御ICとして使用します。今回はVQFN-32パケージのものを使います。
その他コンポーネント: 必要に応じて、抵抗、コンデンサ、クリスタルなどが必要です。MAX3421Eのデータシートを参照して正確な部品を選定します。特に癖のある部品はありません。
マイクロコントローラ: 開発ボードに接続してMAX3421Eを制御するために使用します。ArduinoやESP32などが一般的です。今回は一部私が自作したESP32開発ボードを使います。
USBコネクタ(Type-A): 開発ボードと外部デバイスとの接続に使用します。
回路基板: 部品を配置する基盤(PCB)が必要です。今度は独自のPCBをKiCadを使って設計します。
半田付けようの道具: ピンヘッダーなどのTHT部品を基板に取り付けるためにはんだごてとはんだ使用します。また、表面実装部品がほとんどで、ホットエアガンとソーダ―ペーストも必要です。
マルチメーター: 電気的な接続や動作を確認するために使います。通電後、重要なテストポイントで電圧が正常かどうかをチェックするときに使います。
KiCadを使用したPCBのデザイン
ここから先は
¥ 600
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
株式会社虹賢舎 CEO 著書:https://amzn.to/39KwlE4 技術ブログ:https://kokensha.xyz 機械学習 深層学習 Python /JS IoT Raspberry Pi ロボット TOEIC950 https://gosen.world