夢中(ゆめなか)3話
これがたかとが送ったみおちゃんへの最後のメッセージだった。
漫画か何かかと思った。
たかと本人もまさか本当に自分が死ぬとは思っていなくて、冗談で言ったのだろうか?
それとも本当に自分はもう死んでしまうかもしれないと思ったのだろうか?
後者だった場合、普通は感謝のメッセージを送ると思う。
「ありがとう」や「好きだ」とか俺がたかとの立場だったら彼女に対してそう送ると思う。
俺とたかとの思考はよく似ていた。だからたかともきっと感謝のメッセージを送ると思っていた。
しかし、たかとは違うメッセージを送っていた。
相当苦しくて、辛くて、そこまで頭が回らないほど必死でみおちゃんに人生最後のメッセージを送ったのだと思う。
たかとは俺に3年付き合っていた彼女がいた時、よく相談に乗ってくれた。決して俺と彼女は円満な付き合いではなかったので、何回も修羅場をくぐり抜けてきた。そのほとんどが、たかとのアドバイスのおかげと言ってもいい。俺たちの恋に真剣に向き合ってくれた。
たかとの恋をこのままで終わらせてしまっていいのだろうか。俺はたかとに何もしてあげられてない。
最後のメッセージが
「死にそう」
で終わってしまっていいのだろうか?いやよくない。
たかとが俺を助けてくれたように俺もたかとを助けたい。みおちゃんとしっかりお別れをして欲しい。
しかし、たかとはもうこの世にいない。
そんなことを思いながら、あまり長居をしては迷惑だと思い、今日のところは帰ることにした。
たかとが部屋に死体のまま居れるのは、お葬式までの残り二日だけだった。
翌日、昼の12時頃にたかとの家に行くと、みおちゃんがいた。昨日は泊まって今日も泊まるのだという。
たかとの方に行くと、表情は変わっていなかったが、体が昨日の何倍か硬くなっていた。
よく同じ体勢で寝てられるなって思った。そろそろ起きろ!って言いたくなったが、思っただけで口には出さなかった。
昨日帰ってる最中も帰ってからも、どうやったら、みおちゃんにたかとを会わせてあげられるだろうか。と考えていた。
色々ネットで調べてみた。
「死者 会える 方法」
「有名 霊媒師」
など、調べてみたがこれといってパッとするものがなかった。
自分が死ぬ気は無かったが、死んだらその先で会えるのかなと思い、調べてみると死者には姿が形がないので会えることは無いと書かれていた。魂は残っている可能性があるので霊媒師に頼めば霊媒師の仲介で、もしかしたら会話ができるかもしれない。
そんなことを思っていたが、霊媒師に頼るのは嫌だった。というより、まず霊媒師に頼めるだけのお金が無かった。会えるかもわからないのに借金をしてまでそこに賭けることが俺にはできなかった。
ふと、俺は我に返った。今まで俺が勝手にみおちゃんをたかとに会わせようとしているけれど、みおちゃんはどうなのだろうか?
そんな当たり前のことを考えられないほど俺の心は余裕がなかった。
もう魂がない たかとの体の横でたかととのツーショットを眺めているみおちゃんに聞いてみた。
みおちゃんはもう一度たかとに会いたい?」
急に俺が話しかけてしまったので少々驚かせてしまった。
「いや君の話を聞く限り、たかとはみおちゃんのことがほんとに好きだったんだ、親友だった俺になら1発でわかる。だからこんな形でお別れをして欲しくない。」
俺が、死人と会える方法や霊媒師に頼る方法があるかどうか、調べていたことを伝えた。
話し終えたところでみおちゃんから俺の不安を一気にかき消されることを言われた。