小説の書き方講座⑧【世界観】ありきたりな設定を超える着眼点
おっす!千夜特急という旅小説を書いた川島です!
今回は8回の小説書き方講座。前回の語感の部分は、かーなり難しかったと思う。まぁ、あの母音の法則については、まだわからないことも多いからしょうがない。じゃあ、気を取りなおして、やっていこう!
※あくまでも小説の書き方を学んだことがない人が、小説を読んだり書いたりしながら、どうやったらおもしろい文章が書けるんだろうと考えた末、勝手に主観的な意見を述べているだけの部分もあるので、参考にできるところだけ参考にしてね。
ちなみに、小説の書き方講座ってなんやねんって方は、①からどうぞ。
世界観という言葉について(キャラと世界)
小説を書いていて、なんかうまく書けないな。そんな風に思った頃に、僕は世界観という言葉に出会ったのだが、みんなはどうだろう?
世界観というと、どうしてもファンタジー小説の方が頭をよぎる方も多いと思う。画像であったドラゴンや魔法使い。
その際の世界観というと、
彼らがどんな技を使うのか。
そのファンタジーな世界ではドラゴンは飛べるか。
はたまた彼らはどのような存在なのか。
そしてなんとなく今想像して世界をイメージしてみたら次のようになった。
・この世界には十匹のドラゴンがそれぞれの島を治めている。
・彼らは平和をつかさどる絶対権力者として存在する。
・十のドラゴンはそれぞれの特性を持ち、雷、炎、氷など独自の島で存在している。
・逆に魔法使いは、悪魔の手先としてその世界に送り込まれた。
・魔法使いは混沌を目的としており、それぞれのドラゴンが持つ心臓を十個集めて儀式を行うと、世界をすべて支配する闇のドラゴンが誕生する。
・・・もういいよね。
つまり、魔法使いやドラゴンがいても、その物語には
どんなドラゴンがいるのか?
どういう存在なのか?
彼らがいる目的は何か?
そういう物語における世界の設定のことを指すということは、誰でもわかる。
が、ここで語りたいのは、そういう類の世界観ではなく、
そもそも世界観ってなんやねん?っという話をしたいと思う。
まず最初に伝えたいことは、
ストーリーができて無いとそもそも世界観の構築が難しいということ。
その理由は、ストーリーができてないと、書き手はどこに話をもっていけばいいのか、どこをストーリーのクライマックス部分にするのか?が明確にわからないということになる。
しかし文章はそのクライマックスに向かって書くのだから、
世界観の構築が持つ意味は、あくまでも
そこに向かう際に読者に違和感を感じさせない設定ということになる。
さらにもう一つの観点として意識しておきたいことは、
魔法使いやドラゴンがいない現実の世界を生きている人間であっても、みんなそれぞれに、持っている世界観は違う。
だからこそ物語を書く場合、持っている世界観が違う人たちがいることを意識して世界観の構築をする必要がある。
逆にいえば、説明しなくても伝わる部分は、詳細に書きすぎる必要はない。
そして、説明しないと違和感が残る部分のみを丁寧に物語に組み込む。
その理由は、物語の世界観をすっきりさせるため。
これに尽きる。
さぁ、少し具体的に話を進めていこう。
まず世界観の構築が必要だと言われると、
ほとんどの人が、先ほどのように箇条書きで設定を付け加えていくと思う。
ゆうすけ
・年齢17歳、都内の高校生、優秀、眼鏡にこだわりがある、彼女はいない、ゲームが趣味、
みかん
・ゆうすけと同じ高校に通う高校生、幼馴染、実はゆうすけのことがすき
少なくとも僕は最初、こんな風になっていた。
しかしそのざっくりと要素を詰め込んだ設定では、そもそも書き手がどこを強調して書けばいいのかがわかりにくい。
そのため読み手側も、どこが重要な要素なのかわからない。
だから、まず世界観の構築(人物)の場合、
物語に関連することと、関連しないことを明確に分ける必要がある。
例えば、ストーリーの重要な部分に眼鏡の形が関係なければ、文章で一回だけ丸眼鏡とでも描写すればよい。
しかし、ストーリーで重要になるのであれば、クライマックスの時の読者のイメージがより鮮明になるように、何度も細かな描写を必要とする。
その場合、眼鏡も思い出の傷とか、交換したレンズとか、喧嘩したときにゆがんだフレームとか、そういうキーワードみたいなものを文章に丁寧に散らしていくひつようがあるということ。
だから、世界観(人物設定)の場合、その人物が持つ要素を書きだしてもいいが、物語における重要度を自分で把握しておかなければ、詰込みセットみたいになって人物像がぼやけてしまうということなんだ。
それはつまり、魅力的なキャラとは違った盛りだくさんキャラになってしまうから注意しないといけないんだ。
世界観の設定(世界)
さぁ、世界観の構築をあえて、キャラクター(人物)と世界に分けて考えた。
そしてここでは、物語の世界側について話をしていこうと思う。
まず世界観は漢字の通り、「世界を観る」ところから始まる。
そして世界の描写は基本的に、地の文で構成されているからまた難しい。
先ほどの人物設定の場合
ゆうすけ
・年齢17歳、都内の高校生、優秀、眼鏡にこだわりがある、彼女はいない、ゲームが趣味、
みかん
・ゆうすけと同じ高校に通う高校生、幼馴染、実はゆうすけのことがすき
これを、地の文で、
ゆうすけは都内に通う17歳の高校生。と直接的に書いてもいいが、
まずみかんが出てきて、
「おーい!また背中曲がってるよ!またゲーム徹夜でやってたの?」
「あぁ、最近新作のゲームにはまっててな」
みたいな会話文でも、キャラクターイメージをつけることはできる。
というよりも、こっちの方が自然な文章になることが多い。
しかし、これは現代日本人を対象としていると彼らには理解されるが、
高校という概念がない地域の人には、高校とは何か?という説明をしないと物語を読む際に違和感が出てしまう。
ここに対象を適切に把握するという意味がある。
読者対象を選んで書くと共感されやすいとか、興味が近いとか、売れやすいとかももちろんあるが、
対象者が持っている世界観をこちらがあらかじめ把握することで、
彼らが持つ世界観のずれを認識し、
その世界観のズレのみを地の文で書けばよくなるからだ。
だから、まず世界観の構築(世界)は、読者対象の共通認識をあらかじめ想定し、そこから外れるものを補完する作業ということになる(ここ超重要)
そして結局、物語の世界観と、読者対象の差をどうやって知るのかというと、
やはり自分がその世界に行くしかない。
だから、文字で世界設定を考えることも重要だけど、同時にその世界をイメージしてその世界で動き回らないと、その差を発見するのは難しい。そしてその世界と世界にある隔たりを文字でつなぐのが、小説家のだいご味なんじゃないかなぁなんて思うわけです。
さぁ、こんな感じで今日は世界観について話してみたよ。この記事で何か学びがあったりした?あったら嬉しいことこの上なし。
ちなみに、僕が書いた小説は
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ではでは、しーゆーねくすとたいむ!
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