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アンパンマンがしないこと
今日の買い物をしている時にふと目に入ったモノがありました。
それがアンパンマンのお菓子でした。
お菓子というか「アンパンマンのおもちゃが入っているお菓子」です。
箱に入っているモノです。
もちろんアンパンマン以外にもこの手の「おもちゃが入っているお菓子」は沢山ありました。
でもアンパンマンと目が合ってしまった。あの純粋無垢な瞳に吸い寄せられてしまった。
思わず手に取って、カゴに入れそうになってしまったのであるが、
「いや、必要ないな」と思い止まり、元の場所に戻しました。
ふー危なかった。これがアンパンマンの魔力か。
そういえば昔、アンパンマンについて考えた事があったため、
それを思い出しながら今回の投稿を書こうと思いました。
という訳で今回の投稿のお話は
「アンパンマンがしないこと」についてです。
アンパンマンは殴らない
皆様はアンパンマンを知っていますか?
そうです、あのアンパンマンです。
必ずピンチになって力が出なくなる、あのアンパンマンです。
バタコさんの驚異的なスローイングによって、
顔がクルクル回る、あのアンパンマンです。
バイキンマンの変装に気が付かない、あのアンパンマンです。
丸い顔の子であればあるほど、
「アンパンマンみたいな顔してるね」と言われ幼心に何かモヤっとしたものを感じさせてしまった、あのアンパンマンです。
こんな所にまでビジネスする必要なんて無いのに、と思うようなおもちゃやイベントに参加させられている、あのアンパンマンです。
声優さん達が、もうかなりのご高齢なのだから、本人が亡くなってから交代するのではなくて、早めに元気な若手に交代させてあげなよと思ってしまう、あのアンパンマンです。
映画のゲスト声優の演技を聴いて、「もっと上手い奴を出させろよ」「人気の芸能人ってだけでアンパンマンの映画に出て…なんて羨ましいんだ」と思う、あのアンパンマンです。
そう、みんなが大好きな、あのアンパンマンです。
日本が世界に誇るフィジカル系スーパーヒーロー。
何もかもを吹っ飛ばす「アンパンチ」は正義の証。
愛と勇気を持って戦う「おしおき型」の英雄。
友達の言葉は全て信じてしまう純真な「お人よし」。
そんなアンパンマンがしないこと。
それが「殴らない」こと。
きっかけはドキンちゃん
アンパンマンが殴らないってどういうこと?
解説していきます。
きっかけは「ドキンちゃん」でした。
何かの時にたまたまアンパンマンのアニメを見た時
「そういえばアンパンマンってドキンちゃんを殴らないよな」
と思ったからです。
アンパンマンのお話ってバイキンマンが悪戯をするのですが、
バイキンマンが自分から悪戯をする話って案外多くないのです。
ドキンちゃんがわがままを言う→バイキンマンがしぶしぶドキンちゃんのわがままに付き合う、対応する→結果としてバイキンマンが意地悪をする→アンパンマンに吹っ飛ばされる
このような話の流れが意外と多いのです。
つまりバイキンマンが悪いように見えて、きっかけを作ったのはドキンちゃん。
そしてそのドキンちゃんは「アンパンチ」を直接されない。
アンパンマンに殴られたバイキンマンにぶつかり、バイキンマンと一緒にドキンちゃんが吹っ飛んでいく。
このような状況になるのです。
そのため「アンパンマンはドキンちゃんを直接殴らない」
「直接殴らない代わりにバイキンマンと一緒に飛んでいく」のです。
これはドキンちゃんに限らず「女性キャラクター」はアンパンマンに殴られることがありません。
つまりアンパンマンは女性に手を出さないのです。
よく考えたらバイキンマンも殴られていない
初めはこの
「アンパンマンは女性キャラクターを殴らない」という結論だったのですが、
よくよく考えてみたらアンパンマンはバイキンマンも「アンパンチ」していないなぁ、と思ったのです。
アンパンマンは「直接」バイキンマンを殴っている訳ではありません。
「アンパンチ」の拳に触れられるのは「バイキンマン」ではなくて、
「バイキンマンのマシン」になるのです。
つまり、
アンパンマンは「バイキンマンのマシン」に「アンパンチ」をする→「アンパンチ」された「バイキンマンのマシン」にはバイキンマンが乗っている→そのため「アンパンチ」された「バイキンマンのマシン」が壊れ、その爆発の衝撃でバイキンマンが吹っ飛んでいく
という流れになります。そうバイキンマンは殴れている状況ではあるのですが、実際には殴られたマシンの影響を受けているだけなのです。
バイキンマンはアンパンマンに殴れていません。
もし直接アンパンチをバイキンマンが受けたとしたら、バイキンマンは吹っ飛ぶだけで済む状況にはなりません。
あの巨大なマシンを破壊する威力のあるアンパンチを直接受けたら…
あんな程度で済むはずがないのです。
なぜアンパンマンは殴らないのか
では何故アンパンマンは殴らないのか。
アンパンマンが「アンパンチ」をするのは事件を解決するため。
そして多くの事件は「バイキンマンのマシンの破壊」で済むことが多いのです。
つまり「マシンの破壊」で解決しない話の場合は、アンパンチがありません。
映画に出てくるボスキャラクター達はアンパンチされるのですが、それは時間稼ぎだったり、問題が解決される状況になるまで体力を削ったりしているだけで、アンパンチで解決できない事件は意外とあります。
大抵の場合はゲストキャラクターがボスキャラクターを封印する条件を満たしたり、ゲストキャラクターがボスキャラクターを弱体化させてから「決め手」を出して解決します。
なんでもかんでも「アンパンチ」している訳ではないのです。
まとめると
・アンパンマンはアンパンチで解決できるときはアンパンチをするが、直接キャラクターを殴る訳ではなく、マシンなどを殴ることで間接的に「殴った」状況を作り出している
・アンパンマンは必要に応じてボスキャラクターへの直接的なアンパンチする時がある。しかしそのような状況の時はアンパンチで解決できない状況であり、問題が解決できるまで時間稼ぎや足止めとして対応しているだけである。アンパンチが無効化されている状況であれば複数に及ぶアンパンチもある。
アンパンマンが殴る時と殴らない時
アンパンマンが直接殴る時と直接殴らない時がはっきりとしています。
それは
・次のチャンスをあげるとき→直接的なアンパンチはしない
・今回の事件で終わらせたいとき→直接的なアンパンチをする
バイキンマンは直接アンパンチされません。殴られたマシン等による間接的なアンパンチで吹っ飛んでいくだけです。
なぜなら「次のチャンス」をアンパンマンがバイキンマンにあげているから。
間接的なアンパンチのみに留めているのは「アンパンマンが次の機会を生み出している」からなのです。バイキンマンの次の行動にアンパンマンは希望を与え、期待している。そして何度でも、バイキンマンへの希望が無くならない限り、何回でも「間接的なアンパンチ」を繰り出し続けています。
一方の直接的なアンパンチがある時というのは「起きた事件を今回だけの物にしたい時」です。
映画版のボスキャラクター達が直接アンパンチされるのは「もう今回のような特別な事件を再び起こしたくない」からです。次回へのチャンスを消したいときにアンパンマンは「直接的なアンパンチ」をします。
「今後、このような事件が起きてほしくない」という強い期待を持ってアンパンマンは「直接的なアンパンチ」によって問題を解決しようとしているのです。アンパンマンが殴っているのはボスキャラクターそのものではなくて「将来の希望が叶うためへの祈り」として殴っているのだ、と思えるのです。
アンパンマンは殴っていません。
次回へのチャンスのために間接的なアンパンチで吹っ飛ばせているだけです。
「特別な事件を起こさせない」という祈りのために直接アンパンチをします。でもそれは「願望実現」へのための期待を込めて行う行為であって「殴る」という暴力的な動作には該当しないと判断できます。
さすがはみんなのスーパーヒーロー。
愛され続けるキャラクターには愛され続けるだけの理由があるのですね。