![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/151314043/rectangle_large_type_2_ef0ac0f87a5545630918a37e6fc109f4.png?width=1200)
精一杯誰かを頼って良いんだよ
ずいぶん前に書いた下書きが掘り返されたので投稿します。以下本文。
生徒会活動の中で散々だった日がある。生徒会が運営をしている会(以下全体会)の仕事に追われて、先生も資料を送ってきたのは前日だったし、年度初めでなにも分かっていない人もいるから会長の私がとりあえず全部教えるかって気持ちになって(これは自業自得)、なぜか今年から生徒会のことなんて右も左も分からない先生が突然生徒会顧問になったから、その先生にいつも顧問がしてくれていた仕事を頼んだら「これはどうすればいいですか?」「私はチェックしてOKだと思いますが初めてで不安なのでA先生にも共有かけといてください(これは心の底から自分でやれよと思った)」といらない仕事が増えて、それに気を取られて生徒会メンバーに資料を共有するのが遅くなり、生徒会でも全体会の運営にはあまりかかわらない3年下の後輩から「私なにも分からなかったです、せめて前日には教えてほしかった」と言われ、先生からもなんか色々ぐちぐちと…と洗い出せばキリはない。
なにが一番苦しいって、中2の子が「前日には教えてほしかったです」と言ったときの目が、校則は破るし仕事はしないし経験年数も私より少なかった去年・一昨年の嫌いな先輩たちを私が見るときとそっくりで。あ、この子からの信頼はもう失ったなと思ったし、あの目をしたあとはどう頑張っても信頼の回復はしないことは私が一番よく知っている。
仕方ない。あの子から見た私は「資料の共有が遅れた会長」だ。裏にあった仕事とかミーティングとか、それのカロリーとか、1年目の子が知っているわけがない。高2になって部活の運営もするようになったが、私の部活は後輩は一学年6人ぐらいいる割に私たちの学年は2人しかいないので、一人あたりで回さないといけない仕事も多い。何年か前に化け物みたいな先輩が3人で運営していたが、化け物3人で運営していた部活を人間2人で回せるわけがないのだ。でも、そんな事情も知っているわけがない。
無知は罪という言葉があるが、罪であると同時に仕方がないことであるのは難儀な話だと思う。「知ろうとすれば」と思っても、知るための種すらないので知る由がない。
その日の夜、LINEが来た
もう無理だな、海外留学でもして逃げよっかな(無理)、と思いながら帰った夜、後輩からLINEが来た。冒頭に「私の気持ちを聞いて下さい」と書いてあるものだから、文句でも言われるのかなと思って、でも貴重な意見は無駄にできないからとりあえず読んでみた。そうしたら、内容は「私に引き継ぎも兼ねて仕事を振ってください。先輩にも、苦しいだけの生徒会活動はしてほしくない。具体的には〜」という内容で、少し涙腺が緩みかけた。その子は部活も同じ一つ下の後輩だが、いつの間にこんなに頼もしくなったんだと。
そこからは意外と早かった。さあ、何の仕事を振ってみようかな。あれどうしようこれどうしようと考えて苦しかった生徒会活動の中で唯一と言っても過言ではないほど、考えていて苦しくなかった。
無理しないでください、頼ってください、は他の後輩からも何度も言われていたけれど、なんで今回だけちゃんと頼ろうと思ったのかは分からない。意外と今までは仕事が少なかったのか、今が意外とキャパオーバーだったのか、後輩の中では一番付き合いが長い子のうちの一人だったからなのか。
とりあえず他の高2とも相談して、一つ仕事を振ることにした。その子が「仕事を振ってください」と言ってくれたのを裏切りたくなかったと同時に、ちゃんとみんなで仕事を振る練習をしよう、後輩にもさせようと思った。私に限らず、生徒会の人はみんな自分が仕事をすればいいと思っている。あの人もこの人も忙しいから私がこの仕事は全部抱え込もう、と思っている。でもそれを続けさせるといけないから、後輩のうちから仕事を振る練習はさせようと思った。
素直に聞けなかった推しの曲
ずっと聞けていなかった推しの曲がある。ずっと元気をくれた推しだけど、この曲だけはYouTubeで流れてきても飛ばしていた。
精一杯 誰かを頼って良いんだよ
大丈夫 みんなにはこの唄がある
何回聞いても、頼れる誰かってどこにいるんだろうと思っていた。後輩のことを負担だと思ったことはないけれど、たくさんある教えるべきことを教えられる状態に持って行くのは大変だ。親にゼロから理由を話すのは面倒だし、先生は味方してくれないことのほうが多い。生徒会の先輩は働かないし、一番頼ってきた先輩は早々に受験生になって引退してしまった。もちろん引退していない頼れる先輩も、めちゃめちゃやる気のある優秀な同輩もいたけれど、なんとなくみんな余裕がなさそうだったし、どう考えても周りで一番健康体なのは私だった。同じ仕事をして向こうがキャパオーバーで体調を崩しても、多分私は全然風邪をひかない。体調が悪くなるのも私なら良いのに、と思ったこともあった。というか、不謹慎だけど合法的に休めるなら体調を崩したかった。
中3のときからずっと思ってきたことだ。ずっと忙しくて、高3は受験生だから勉強しかしなくていいのか、仕事はないのか、めっちゃ楽じゃん、と思っていた。全国の受験生に刺されろ
でも、ちゃんと頼れる人ができたと思った。ひとりじゃないなんてこと頭では分かっていたけど、心からもう私ひとりじゃない、ひとりで頑張らなくてもできる子がいる、と思った。
きっと、もう誰も頼れないと思ってる人はたくさんいると思う。自分が誰も頼らないのだから頼れる人がいないのは事実だし、頼れないと思っているから頼らないのだ。それを否定はしない。ただ、いつか頼っても大丈夫な人が現れるから。そのいつかを待つのは苦しいけれど。