オーディオ・ザット・ジャズ 〜映画「ジャズ喫茶ベイシー」極音上映@立川
前回の日記で綴ったように、先週土曜、ひさしぶりに立川に行った
その目的は、映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』の鑑賞。
(以下、店名・作品名ともに「ベイシー」と略称する)
岩手県は一関市で半世紀の歴史を持ち、地方にもかかわらず世界中のジャズファンのみならずプレイヤーたちにも知られる同店とマスターの菅原正二さんを追ったドキュメンタリー。
昨年の晩秋に浪漫社のお客様に教えていただいて以来ずっと観たいと思っていたのだが、なにぶんインディペンデント系の映画のためなかなか近場の劇場で上映されることがなかった。
それが立川の地元資本系映画館シネマシティの「シネマ・ワン」で上映されることとなり、ようやっと観る機会を得たというわけだ。
で、実はこの〝シネマシティで〟というのが大きなポイント。
なにせ音楽ドキュメンタリー。さらに「ベイシー」がなぜ世界中のジャズメンから愛されているかといえば、
「その男は、レコードを演奏する。」
というコピーにもあるように菅原さんの徹底したオーディオ・システムへのこだわりがあり、それが作品の売りの一つでもある。
そのため音響設備が貧弱な劇場ではその魅力も半減されるのだが、シネマシティはそのあたりには定評があり、たびたび行われる独自の「爆音上映」や「極音上映」といった企画には、わざわざ遠方から足を運ぶファンも少なくない。
そして今回のベイシーは、その極音上映として公開されたのだ。
いやー、待たされた甲斐はあった。
主たるターゲットがコアなジャズファンやオーディオマニアなゆえ、そこまでではない俺らにとっては冗漫に感じる部分が無くもなかったが、それでも数々の名曲や名演には目が覚めるものがあった。
何より1960年代から1970年代頃にかけてのジャズとジャズ喫茶そしてオーディオに情熱を傾けた人々の言葉や生き様には、まさに今こうしたご時世だからこそということも含め、その一端でも垣間見ることができて本当に良かったなと思う。
「確かに便利な世の中になっているようだ 音楽も持ち歩ける時代だ
しかし便利を優先して感動を置き忘れてはいないか?」
「ジャズを聞くにはジャズな環境が必要だ 垂れ流しはよくない」
「ジャズというジャンルはない ジャズな人がいるだけだ」
パンフレット冒頭で紹介されている、菅原さんの言葉だ。
好きな音楽や店でかける音楽がジャズか否かにかかわらず、俺もジャズな人でありたいし、浪漫社もジャズな酒場でありたいと思う。
立川「シネマシティ シネマ・ワン」では、2月19日(金)まで上映中。
ぜひ最高の「ジャズ」を最高の音質でお楽しみいただきたい。
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